【藤本美貴さんが紹介】知ってました? 「にじいろの さかな」シリーズって実は全部で9巻あるんです!

絵本『にじいろの さかな』刊行30周年記念インタビュー 後編 (2/2) 1ページ目に戻る

5巻『にじいろの さかな まいごに なる』

すべての画像を見る(全38枚)
1作目のお話とメッセージ性が似ている物語

「きれいな青い石を拾うのに夢中になって、にじうおが迷子になってしまうんですけど、出会って助けてくれた魚にその大事な青い石をお礼としてプレゼントすることで、仲間の元に帰れるきっかけになる。1作目のお話とメッセージ性が似ている物語かな」by藤本さん

6巻『にじいろの さかな うみの そこの ぼうけん』

単純にキラキラがいっぱいなのと探し物のストーリーが子どもにわかりやすい

「この話は結構、衝撃でしたねー。にじうおのキラキラした鱗って泳いでいるだけで、そんな簡単に取れちゃうんだ、ヤバいじゃんって(笑)。物語は単純にキラキラがいっぱいで楽しかった。探し物をするというストーリーも、子どもに分かりやすいと思いました」by藤本さん

7巻『ゆっくり おやすみ にじいろの さかな』

少し小さい子向けのかわいい話

「このお話、かわいいですよね。お母さんのこういう気持ちって、我が家ではなかなか言葉にして伝えることはないから、読み聞かせにいいなと思いました。母は偉大だな~」by藤本さん

8巻『まけるのも だいじだよ にじいろの さかな』

負けることもある、負けても大丈夫、タイトルのとおり負けるのも大事って知ってほしい

「これは少し年上の子どもに読み聞かせたいです。小学校にあがっても、負けるとすねちゃう子とか、大人は手加減してくれるのが当たり前だって考えている子、いますよね。でも私は現実を知っておいたほうがいい、と思うから。勝つことばかりにこだわる子がいると、親や先生の見えないところで子どもたちだけでやり取りして、大きな揉め事になったりするんですよ。だから、負けることもある、負けても大丈夫、タイトルのとおり負けるのも大事って知ってほしい。

うちでは、相手が子どもだからって手を抜いたりしないので、世の中のシビアさは普段から教えているかな。例えばじゃんけんをするとして、次はママは何を出すだろう、勝てるかなってドキドキするのが楽しいじゃないですか。あとはオセロとかゲームをするとき私たち親も本気で挑むので、子どもは負けたら泣くんですけど、そんな機会がなければ絵本を通してでも良いので、世の中の現実を伝えていくことも大切だし、それが子どもの成長につながるのかなと考えています」by藤本さん

9巻『にじいろの さかなと おはなしさん』

噓について子どもと話し合える一冊

「話し方ひとつで、人の印象って変わるんですよね。噓をつくのと、おもしろおかしく空想のお話をするのは全く別物だよって。噓について子どもと話し合える一冊。本気で人を怖がらせる話をするのはだめだよ、とも伝えたいです」by藤本さん
インタビュー・文/小和野薫子
撮影/阿部ちづる(LOVABLE)
ヘアメイク/太田年哉(マロンブランド)
スタイリスト/河西真弓
この記事の画像をもっと見る(38枚)

前へ

2/2

次へ

54 件

マーカス・フィスター

Marcus Pfister
絵本作家

1960年、スイスのベルンに生まれる。高校卒業後、ベルンの美術工芸学校の基礎科に入学。その後、グラフィック・デザイナーとして、1981年から1983年までチューリッヒで働く。カナダ・アメリカ・メキシコを旅行ののち、帰国後はフリーランスのグラフィック・デザイナー、イラストレーターとして活躍している。 おもな作品に「ペンギンピート」シリーズ、「うさぎのホッパー」シリーズ、「にじいろの さかな」シリーズなどがある。 1993年、ボローニャ国際児童図書展エルバ賞を受賞した『にじいろの さかな』をはじめとする「にじいろの さかな」シリーズは、世界で3000万人の読者に迎えられた大ベストセラーとなっている。 HP:http://www.marcuspfister.ch/

1960年、スイスのベルンに生まれる。高校卒業後、ベルンの美術工芸学校の基礎科に入学。その後、グラフィック・デザイナーとして、1981年から1983年までチューリッヒで働く。カナダ・アメリカ・メキシコを旅行ののち、帰国後はフリーランスのグラフィック・デザイナー、イラストレーターとして活躍している。 おもな作品に「ペンギンピート」シリーズ、「うさぎのホッパー」シリーズ、「にじいろの さかな」シリーズなどがある。 1993年、ボローニャ国際児童図書展エルバ賞を受賞した『にじいろの さかな』をはじめとする「にじいろの さかな」シリーズは、世界で3000万人の読者に迎えられた大ベストセラーとなっている。 HP:http://www.marcuspfister.ch/

たにかわ しゅんたろう

谷川 俊太郎

Shuntaro Tanikawa
詩人

1931年、東京に生まれる。1952年に第一詩集『二十億光年の孤独』(東京創元社)を刊行。以後、詩、絵本、翻訳、作詞など幅広く活躍。1962年には「月火水木金土日のうた」で第4回日本レコード大賞作詞賞を、また1975年には『マザー・グースのうた』で日本翻訳文化賞を受賞している。1988年野間児童文芸賞、1993年萩原朔太郎賞を受賞ほか、受賞多数。 絵本作品に『ことばあそびうた』(福音館書店)、『マザー・グースのうた』(草思社)、『これは のみの ぴこ』(サンリード)、『もこ もこもこ』(文研出版)、『まり』(クレヨンハウス)、『わたし』(福音館書店)、「ことばとかずのえほん」シリーズ(くもん出版)他多数の作品がある。『スイミー─ちいさな かしこい さかなの はなし─』(作:レオ゠レオニ、好学社)や「にじいろのさかな」シリーズ(作・絵:マーカス・フィスター、講談社)など、翻訳作品も多数。 写真:所靖子(絵本ナビ)

1931年、東京に生まれる。1952年に第一詩集『二十億光年の孤独』(東京創元社)を刊行。以後、詩、絵本、翻訳、作詞など幅広く活躍。1962年には「月火水木金土日のうた」で第4回日本レコード大賞作詞賞を、また1975年には『マザー・グースのうた』で日本翻訳文化賞を受賞している。1988年野間児童文芸賞、1993年萩原朔太郎賞を受賞ほか、受賞多数。 絵本作品に『ことばあそびうた』(福音館書店)、『マザー・グースのうた』(草思社)、『これは のみの ぴこ』(サンリード)、『もこ もこもこ』(文研出版)、『まり』(クレヨンハウス)、『わたし』(福音館書店)、「ことばとかずのえほん」シリーズ(くもん出版)他多数の作品がある。『スイミー─ちいさな かしこい さかなの はなし─』(作:レオ゠レオニ、好学社)や「にじいろのさかな」シリーズ(作・絵:マーカス・フィスター、講談社)など、翻訳作品も多数。 写真:所靖子(絵本ナビ)