「おきがえ」を身につける絵本登場! 2児の子育て実体験から生まれた5つの工夫
着られた! はけた! 新感覚の穴あき絵本『おきがえできるかな?』作者・コンノユキミさんインタビュー
2021.06.09
工夫その1 「やってみたい!」を大切に
わが家には7歳の息子と、4歳の娘がいますが、じつは息子は〈おきがえ〉が嫌いでした(笑)。小さな頃から「おきがえするよ」と言うと、裸のまま逃げ回って、毎回、着替えの前は追いかけっこみたいな感じ。
でも、小さい子でも毎日のように〈おきがえ〉はしないといけないんですよね……。
「どうしたら着替えてくれるようになるんだろう?」と考えたとき、やっぱり大事なのは子どもが「楽しそう」「やってみたい」と思えることじゃないかなと。
そして、子どもにとっての〈おきがえ〉の第一歩は“選ぶ”ことなのではないでしょうか。
絵本『おきがえできるかな?』では、パンツ、下着、服、靴下……とひとつずつ「どれにしようかな?」と自分で選んでいきます。
工夫その2 「選ぶ」を楽しく!
その間は大人の手助けがどうしても必要です。
だからまずは「これを着たい」と“選ぶ”のが、子どもにできること。それを「楽しいな」と感じられたらいいなと思います。
今、着やすいもの、着ていいものだけを置いてあるので、「さあ、選びましょう」と洋服棚の前に来たとき、子どもがどれを選んでも「それは着ないで!」ということになりません(笑)。
子どもの手が届かない上の段は、普段着ないけれど必要な服や、いざというとき出したいものを、別のかごに入れて親が管理できるようにしています。下半分が、子どもが自由に使えるスペースです。
工夫その3 「ぴったりサイズ」と「ぎゅうぎゅう詰めにしない」
ぴったりサイズの服なら、身につけたとき、気持ちいい。〈おきがえ〉が楽しくなると思います!
気をつけているのは、おもちゃも服も、ぎゅうぎゅう詰めにしないこと。
小さな子には服の数が少ないほうが選びやすいですし、自分がどんな服を持っていて、何を着たいのか、すぐにわかると思います。
工夫その4 「自分でできる!」って幸せ 全身鏡も「やる気」アイテム
娘は今、ピンクが好きで、ピンクの服ばかり着ています。以前は「こっちにしたら?」と他の色をすすめたこともありましたけど、今は「同じ色でもいいかな」と(笑)。
お気に入りの色ばかりローテーションで着ている娘を見ると、「やっぱり、そんなに枚数がなくてもいいのかも」と思います(笑)。
鏡があると、子どもの〈おきがえ〉のやる気が出ます!
工夫その5 親子で“小さな楽しみ”を見つける
のびのびと園に通う子たちが羨ましくて(笑)、同時にモンテッソーリの子どもへのまなざしのやさしさに、しばしば親の私もとても励まされました。
子どもの主体性を大事にし、子どもを“自立できる存在”としてちゃんと見ている。運動会や、日頃の園の活動の中でも、子ども自身がやりたいことを披露する機会があって、それをみんなに認めてもらえるやりとりがあるんですね。
子どもでも大人でも、主体的に行動して、そんな自分を周囲に受け入れてもらえたとき、自身をとりまく世界の心地よさががらっと変わりますよね。その心地よさは、小さな子の大きな自信になって、未来を支えてくれると思います。
『おきがえできるかな?』では、性別の区別なく楽しんでもらえるように、服の色や形を描きました。『バラバラピタッ!』と『おきがえできるかな?』は、どちらもリアルな生活から生まれた絵本です。
「かたづけなさい!」「きがえなさい!」と言うと、親子共にイヤな気持ちになっちゃうけれど、〈おかたづけ〉も〈おきがえ〉も、工夫次第でゲームみたいに楽しめますよね。
コロナ禍でステイホームが増え、小さなお子さんがいるおうちでもストレスを感じやすいですが、ちょっとした工夫で暮らしやすくなり、「『毎日、楽しいな』と小さな子が感じたらいいなぁ」と。“小さな楽しみ”を見つける幸せを、絵本をとおして感じてもらえたら嬉しいです。
〈おかたづけ〉も〈おきがえ〉も、大人の都合のためではなく、子どもの喜びがあってこそ。コンノさんのお話からは、本来子どもに備わっているものを信じる姿勢が伝わってきます。
〈おかたづけ〉や〈おきがえ〉に悩んだら、ぜひ絵本を読んで、コンノさんの実践を参考にしてみてくださいね。
コンノ ユキミ
1978年生まれ。東京学芸大学美術科卒。つくば市在住。 主な作品に、「頭のいい子を育てるおはなし366」(主婦の友社)シリーズ装画、「たまひよ おうたえほん」(ベネッセコーポレーション)シリーズ装画、「みてさわっておぼえる あいうえおのえほん」「みてさわっておぼえる かずのえほん」(主婦の友社)、月刊絵本「チャイルドブックジュニア」装画[2014~2018年度](チャイルド本社)、『バラバラピタッ!』『おきがえできるかな?』(講談社)などがある。 Instagramで、コンノさんのおうちの日常をちょっぴりのぞくことができます。こちらもぜひ! @konnoyukimi3
1978年生まれ。東京学芸大学美術科卒。つくば市在住。 主な作品に、「頭のいい子を育てるおはなし366」(主婦の友社)シリーズ装画、「たまひよ おうたえほん」(ベネッセコーポレーション)シリーズ装画、「みてさわっておぼえる あいうえおのえほん」「みてさわっておぼえる かずのえほん」(主婦の友社)、月刊絵本「チャイルドブックジュニア」装画[2014~2018年度](チャイルド本社)、『バラバラピタッ!』『おきがえできるかな?』(講談社)などがある。 Instagramで、コンノさんのおうちの日常をちょっぴりのぞくことができます。こちらもぜひ! @konnoyukimi3