第39回講談社絵本新人賞を受賞した、はっとりひろきさん。
関西弁のナンセンスコメディー絵本『いっぺん やって みたかってん』でデビューしてから、絵本作家として大活躍。面白い作品たちに秘められた、作者の熱い想いとは。
主人公として選ばれたのは、懐中電灯
子どもの頃、誰もがこのような想像をしたことがあるのではないでしょうか。
そんな想像を、常にしている絵本作家のはっとりひろきさん。
現在は、整備士のお仕事と並行して、絵本作家の活動をしています。
デビュー作の『いっぺん やって みたかってん』では、公園の遊具たちが自由におしゃべりして、遊具自ら遊びだす、というユニークな設定が読者の心を掴みました。
現実ではありえない設定ですが、はっとりさんの描写力と世界観のつくりこみが、読者に「遊具が動いたらこうなるかも」と思わせてくれます。
懐中電灯のお医者さんであるぽっかりライトせんせいが、家電たちの病気(故障)を治す(修理する)という愉快なお話です。
めざましどけいくんは、のどの調子が悪くて声がうまくだせない。そうじきくんは、鼻がつまってうまく吸いこめない。ありえない設定の中にも、家電に合わせた共感できる症状が、読者を『ぽっかりライトせんせい』の世界に連れて行ってくれます。
絵本を作る中で、大切にしていること
僕は、絵本を作る中で「想像力」を大切にしています。
身の回りにある物がもし動き出したら、どんな面白いことが起こるのだろうかということを、常に考えています。
今回の『ぽっかりライトせんせい』も、もし家電が動き出したらと考え始めました。
そして、具合の悪い家電たちが、懐中電灯のぽっかりライトせんせいに照らされて診察してもらい、元気になって笑顔で帰っていくというストーリーが浮かんだのです。
今までにないものを作り出すということにおいては、この想像力が必要不可欠です。
その想像力によって身近なものに命を吹き込み、その絵本によって子どもたちに何かしらの刺激として良い影響が与えられたら嬉しく思います。
構成を何度も練り直し、原画に入った後も、発売に間に合うギリギリまで描き直していたはっとりさん。
日中は整備士のお仕事があるため、絵本の作業は、帰宅後深夜まで続くことも。
インタビューの最後には、「これからも世の中の子どもたちに「想像力」を働かせるきっかけとなる愉快な絵本を作り続けていきたい」と、熱い想いを語ってくれました。
感情が豊かになる、言語能力の発達、想像力を鍛えるなど、様々な効果があると言われている絵本。一見シンプルで、やさしい内容に見えますが、その裏には作者の熱い想いがたっぷり込められています。
幼児図書編集部
絵本をつくっている編集部です。コクリコでは、新刊の紹介や作家さんのインタビュー、イベントのご案内など、たのしい情報をおとどけします! Instagram : @ehon.kodansha Twitter : @kodansha_ehon
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