手に汗握ること間違いなし!『はっきょい どーん』読み聞かせのコツ

「本とあそぼう 全国訪問おはなし隊」隊長がお教えします

読み手 ーーおはなし隊隊長 宇田詔子
※この記事は、講談社絵本通信に掲載の記事を再構成したものです。
 
キャラバンカーに本をたくさん積んで、全国47都道府県におはなしを届ける「本とあそぼう 全国訪問おはなし隊」。
幼稚園や保育所、小学校や図書館、書店など様々な訪問先で、おはなし会を重ねてきたおはなし隊の隊長さんが、子どもたちに人気の絵本の読み聞かせのコツをお教えします!
相撲の魅力がとても感じられる一冊です。子どもも大人もついつい息をのみ、力士の息づかいや汗まで感じられそうな大迫力の相撲絵本です。
『はっきょい どーん』
作:やまもとななこ 講談社
私は、おはなし会にちょっと変化を持たせたい時や、場面展開に使用しています。

言葉は少ないですが、ページをめくるタイミングに間を持たせ、めくってから心の中で、1、2と数えてから読み始めます。そして読むスピードにも注意し、臨場感を持たせるために本当に今、自分が取り組みに挑んで力を出しきっているように、言葉に力を込めて読んでいきます。

「待ったなし! 優勝きめる大一番  はじめていどむ明の海」

ここは、これから物語が始まるドキドキとした高揚感を出します。
はじめていどむ明の海『はっきょい どーん』より
「むかえうつのは最強(ここを強く読み)の横綱 武留道山(ぶるど~ざん~~)」
テンポよく進めます。

「(力強く) 負けるもんか!」
「みあって みあって はっきょい!」
ここで少しためていると、子どもたちが口々に、のこったのこったを言い始めることもあるので、みんなが落ち着いてからめくりましょう。

「どーーーーーん!」
ここまでくると子ども達も興奮してきます。
どーーんと体全体でぶつかりにいく明の海
『はっきょい どーん』
次の見開きも絵をじっくりと見せます。

力を思いっきり込めて読んだり、しっかりと間をとったりしながら、ゆっくりと読みます。

「ざざざざざーーーっ」
と言ってから、少し経つと、あれ小さいの負けた? 大きい方強すぎるね、など取り組みの行方が段々と気になり始めます。

最後は渾身の踏ん張りを言葉に込め、

「ま… け… る…」
「もんかっ」
で、気持ちよく投げます。
気持ちよく投げる明の海『はっきょい どーん』より
勝負の行方も気になりますが、子どもたちには特におしりのアップがたまらないらしく、大爆笑になる時もあります。

すこし、間をとってから
「勝ったああああああああ~~~~~~~」
歓声とどよめきの声が上がります。

最後はゆったりとめくります。すると、また歓声が上がります。子どもたちは、口々に賞賛とトロフィーの大きさにびっくりしながら、取り組みの結果をかみしめています。

裏表紙を見せるとまた笑い声が上がります。子どもたちは本当におしりが大好き。最後に表表紙を見せて、タイトルを誇らしげに読んでいると、読み手も達成感が味わえます。

日本の国技の相撲。体の大きい、小さいに関わらず、気持ちで自分より大きい相手に勝ってしまう。そんなすごいことが起きるのが相撲の魅力なのかもしれませんね。またまた、わたしのお気に入りの一冊が見つかりました。これからも、多くの子どもと大人に読んでいきたいと思いました。

●今回読んだ本

『はっきょい どーん』
作:やまもとななこ 講談社

●プラス1冊

イカ、タコ、サーモン、イクラ、うなぎ、たまご……、すし力士たちの土俵入り。ネタとネタの真剣勝負。はっけよーい、のこった!

『どすこい すしずもう』
作:アンマサコ 講談社

本とあそぼう 全国訪問おはなし隊

たくさんの絵本を積んだ2台のキャラバンカーで各都道府県を巡回し、幼稚園、保育所、小学校や図書館、書店などを訪問している、「本とあそぼう...