お母さんのためにお花を摘んでいる、つるこちゃんのもとに、空からいろいろな動物たちが降ってくるという単純な構成ですが、子どもたちが純粋に楽しめる、まさに「絵本的な絵本」です。
「次はなにが降ってくるかな?」という、子どもたちの好奇心をじゅうぶんに引き出すため、間の取り方が、大変重要です。意見が分かれるところですが、私の場合は「おはなし会」を特別な機会ととらえ、動物たちが降ってくるページをめくらずに読み始め、降ってきたところで、素早くページをめくり、絵を見せるようにしています。
扉のページのあやしげな空の絵を見せ、「いまにも ふってきそうな そらです」は、やや低い声で物語を始めます。
ページをめくり、今度は、明るい声で「つるこちゃんは おはなを つんでいました」と読み出します。物語が動き出します。子どもたちの中には、絵の中に、カメがいるのを見つける子もいます。
次ページでは「すると そらから……」まではページをめくらず、たっぷり間をとって読みます。そして、さっとページをめくりながら「おおきな わにがふってきました」と続けます。ここは、スピードが大事です。子どもたちは、意外な展開に大笑い。
本とあそぼう 全国訪問おはなし隊
たくさんの絵本を積んだ2台のキャラバンカーで各都道府県を巡回し、幼稚園、保育所、小学校や図書館、書店などを訪問している、「本とあそぼう...