親子で「ペアプログラミング」 子どもの将来を広げるプログラミング的思考
プログラミング教育“はじめの一歩”#3「遊びの中で楽しく学ぼう」
おうちの中にはプログラミング的思考力を養うきっかけがたくさん隠れています。そのひとつが「お手伝い」だと小林先生は話します。
「特に小学生の場合、楽しく、一緒に体験しながら学ぶことが一番大切です。普段のお手伝いにもそういったチャンスがありますよ。
例えば、子どもが食事の準備のお手伝いをしていたとします。そして冷蔵庫を長時間開けていて、ピーっと警告音が鳴ったとします。
ここで親が子どもに『どうしてピーっと鳴るのかな?』『どういったときに音が鳴るのかな?』などと導いて、子どもの興味を生活の中にあるプログラムの存在へと広げてあげるといいでしょう。
一定の時間、扉を開けっぱなしにしていると警告音が鳴るという仕組からプログラムの存在に気づいたり、【条件分岐】などの考え方を学んだりするきっかけになります」(小林先生)
身近なことでも、親が子どもと一緒に「どうして?」を考えてみるとプログラミング的思考のきっかけになりますね。
「最近ではロボット掃除機のある家庭が増えてきました。なければ映像でも構いません。
動いたり、止まったり、方向を変えたり、とロボット掃除機の動きの中にプログラミング的思考につながるきっかけがあります。
どんな規則性があるのか、ゴミがあるのとないのでは動きがどう違うのかなど、できれば動作を付箋に書き出して、動きを並べてみる(順次処理)してみると、論理的に考える力につながります」(小林先生)
ロボット掃除機の動きを、付箋やノートなどに書き出して並べてみるのは順次処理の理解につながるばかりか、可視化することで問題を発見し、対処するきっかけを掴む力にもつながります。
さらにループや条件分岐を入れて考えてみると思考の幅が広がっていきます。プログラミング的思考を身に付けることは、先を見通す力を育むことだといえるでしょう。
第3回は、「ゲームや本を使ったプログラミング的思考の育て方」について紹介します。
取材・文/梶原知恵
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小林 祐紀
茨城大学准教授。博士(学術)。金沢大学大学院教育学研究科修了後に石川県内の公立小学校にて約10年教壇に立つ。2015年より現職。専門は...