「キリンが見たい」をおうちでリクエスト! オンラインサファリツアーのライブ感

〔オンラインツアー&社会科見学#1〕ケニア・ナイロビ国立公園サファリツアー(後編)

阿部 真奈美

マサイキリンの親子に遭遇。参加者のリクエストがかなった、ラッキーな遭遇でした。

長引くコロナ禍で、旅行にも気軽に行けない2021年の夏。そんななか、どんどん進化し、人気が高まっているのが、「オンラインツアー」や「オンライン工場見学」です。
前編では、家にいながらにして野生動物が見られる、旅行会社HISの「ケニア・ナイロビ国立公園サファリライブツアー」にコクリコライター(動物は猫派)が参加し、その人気の理由を探りました。

後編となる今回は、参加者が大喜びした動物との遭遇や、リアルタイムでやり取りされるチャットでの質問タイムの様子など、参加型オンラインツアーならではライブ感あふれる様子を紹介します。

ガイドの豊富な知識と進行役のナイスアシストで楽しさが倍増

「ケニア・ナイロビ国立公園サファリライブツアー」は、現地のガイド・ジョージさん、ロンドン在住の進行役・ジョンさん、そして約50名の参加者たちと、それぞれ1万キロ以上も離れたケニアとロンドン、日本の各家庭をつなぎ、開催されました。

公園内を車で走りながら、遭遇した動物を紹介される。それだけでも楽しいのですが、ガイドと進行役の連携プレーで、ツアーがより楽しくなった瞬間がいくつもあったのです。

サイに遭遇し、車で約50メートルの距離まで近づいたときのこと。サイはずっとガイドの乗る車のほうをうかがっている様子でした。
そこで、進行役からナイスリクエストが入ります。

「もっと車で近づけますか? クロサイなら逃げちゃうでしょうけど、見た目が似ているシロサイなら、もう少し近くで見られると思うので」(ジョンさん)。

公園内の道路に沿って、約20メートルの距離まで近づくと、警戒心を強めたのか落ち着きがなくなったサイたち。

親子と思われるクロサイ。ガイドでも、あまり見る機会がないという絶滅危惧種です。背中に乗っているのは、アマサギという鳥。

「敏感なところを見ると、やっぱりクロサイですね。クロサイの落ち着きのなさは、密猟から自分を守るために自然と身についた知恵なんです。今は子どもがいるので、よけい敏感になっています」(ジョージさん)

親子のクロサイはいそいそと背を向け、離れていってしまいました。

また、巨大なバッファローに遭遇したときは、進行役が「皮膚をもっとアップで見せて」とリクエスト。その真意が分からずにいると、すかさずガイドから説明が入りました。

悠然と歩くバッファロー。突進されたら、ひとたまりもなさそうな大きさは、画面越しにも伝わります。

「バッファローは歩きながらウンチをするので、虫が寄ってきやすいんですね。泥浴びをすると、泥が固まって落ちるときに、体にくっついていた虫も一緒に落ちるので、同時に退治できるというわけです」(ジョージさん)

確かにアップを見ると、皮膚の表面に泥が固まってボコボコ。泥がついていない皮膚とは、明らかに違う色だというのがわかりました。
アドリブで出されたリクエストに応えながら、動物の特徴や習性へと話をふくらませていく。参加者は、動物に遭遇した感動とともに、自然と動物への知識を深めるおもしろさに引き込まれていきます。これは子どもにとっても楽しい学びになりそう!

表面で泥が固まり、ボコボコとしたバッファローの皮膚。泥が乾くと、勝手にポロポロとはがれ落ち、一緒に虫も駆除できるといいます。
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