夏休み真っ盛り! しかし、長引くコロナ禍、子どものパワー発散に頭を悩ませている親も少なくないのでは。とはいえ、私たちの知恵は新しい楽しみ方も見つけつつあります。特に急速に進化し、人気を博しているのが、「オンラインツアー」や「オンライン工場見学」です。リアルタイムでガイドとやりとりができる参加型ツアーや、立入禁止区域まで潜入できる工場見学など、オンラインならではの工夫や魅力がいっぱいなのです。
今回は、数あるオンラインツアーの中から、小さな子どものいるファミリーにも人気で、「HISオンライン体験ツアー2021上半期総合人気ランキング」(※1)で1位に輝いたオンラインサファリツアーを、コクリコライター(動物は猫派)が体験レポート。人気の理由を探りました。
※1=「HISオンライン体験ツアー 2021上半期総合人気ランキング発表」(株式会社エイチ・アイ・エス)
ケニアってどんな国? をお勉強しながら異文化交流
旅行会社の調査(※2)によると、2021年の夏休み期間中、1泊以上の旅行に行くと答えた人は、前年比で5.3%増となったものの、コロナ禍前の2019年に比べると4割減。旅行に「行かない」「たぶん行かない」と答えた人は、8割を占めています。
※2=「2021年の夏休み(7月20日~8月31日)の旅行動向(株式会社JTB)」
そんな中で感染予防対策をしながら旅行気分を楽しめると話題なのが、「ケニア・ナイロビ国立公園サファリライブツアー」(HIS)。ほぼ毎週土・日曜日の午後に開催(水・金曜日は、日付によってナイトサファリツアーを開催)。予約制で所要時間は1.5時間、参加費3,961円〜(為替レートにより変動あり)。オンラインミーティングツール「Zoom」を使い、インターネットがつながれば、どこにいても参加できます。
ツアースタート時間の少し前に指定のURLにアクセスすると、まずはマイクやスピーカーの設定に関するガイダンスがありました。説明が画面に表示されるので、初めての人でも安心して参加できます。さらにケニアってどこにあるの? どんな言葉を話すの? 使われているお金は? 等の基礎知識を、地図や写真とともに説明してくれ、異国へ旅する期待がおのずと高まります。
ツアーは、現地のガイド・ジョージさんと、ロンドン在住の進行役・ジョンさん。ケニア出身の2人が流暢な日本語で楽しく進めてくれます。
肌や髪の色が違う外国人と画面越しにでも同じ時間を共有すること、外国人が自分と同じ言葉を話している姿は、小さな子どもの目には新鮮に映るのではないでしょうか。
またツアー中には、「ジャンボ(こんにちは)」「アサンテ(ありがとう)」「ハポ(そこ)」「サワ(OK)」などの簡単なスワヒリ語や、イボイノシシを「プンバ(スワヒリ語で、お馬鹿さんという意味)」と呼ぶ理由も教えてもらいました。このような異文化交流もこのツアーの魅力のひとつです。
“遭遇する動物は運次第”のワクワク感
さて、ツアーに参加したのは7月のとある土曜日の13時30分。ケニアでは朝の7時30分でした。この日のケニアは気温13度。日本で言えば春秋の過ごしやすい気温ですが、ケニアでは寒いくらいだとのことです。
今回のツアーで探索するのは「ナイロビ国立公園」。約117平方キロメートルもの広さを誇るケニア最古の国立公園には、ライオンやキリンをはじめ、さまざまな野生動物が生息しています。ですが、どんな動物に遭遇できるのかは、その日次第。カメラは動物のいそうなところを次々と移動してくれるので、とりあえず自分の強運を信じつつ、画面を凝視することに。果たしてどんな動物に出会えるのか。この動物を探している時のワクワクした緊張感は、動物園では味わえないサファリツアーならではものでした。
すると、ツアー開始10分も経たないうちに最初の動物と遭遇しました!
車からの距離は約80m、辺り一面の草に動物が同化し、初めは見えませんでしたが、あわてなくても大丈夫です。カメラがズームで近くまで寄ってくれ、百獣の王・ライオンだとしっかり確認できました。我が家の猫とはまったく違う、たくましくて太い首。それなのに、我が家の猫と同じようにゴロ〜ンと横たわる姿が、猫派の私にはたまりません♡
「1週間、毎日通っても、ライオンは見られないこともあるんですよ。あれは、新婚さんですね。今はライオンの発情期で、雨が降る期間が終わり、動物たちが大移動する時期。餌が豊富にあるので、ライオンにとって子育てをするにはいいタイミングなんです。約3ヵ月後には、子どもが生まれるはずです」(ジョージさん)
遭遇した動物の種類を教えてくれるだけでなく、ケニアの気候や自然環境の知識とともにどうしてライオンがペアでいるのかを説明してくれました。「発情期」などのちょっと難しい表現は、親が隣でサポートし、子どもに説明してあげるといいかもしれません。