こどもの本総選挙・第1位の廣嶋玲子が挑む ヤバい「グリム童話」の世界

本を読むのが100倍楽しくなる本好きクイズ3

「こどもの本総選挙」第1位作家・廣嶋玲子氏が選んだ「世界の名作」は…?

だれもが知ってる名作から出題する名作クイズ。「こどもの本総選挙」第1位・廣嶋玲子氏新シリーズ/ストーリーマスターズ1『ふしぎな図書館と魔王グライモン』発刊記念……ということで、この本の舞台にもなっているグリム童話から出題します。

本の中では、おもしろい本をひとりじめするために、世界の名作をつまらなくしてしまう魔王によって、トンデモストーリーに改変されたグリム童話ですが、もちろん皆さんはグリム童話の内容はばっちりご存じですよね!

グリム童話は世界で一番多くの言語に翻訳されていると言われています。

世界で一番多くの人に読まれている物語……と言われるグリム童話なら、あなたも内容ばっちりのはず!

ぜひチャレンジしてください!

世界中のひとが同じ本を読んでドキドキできるって、本当にすごいことかも!

りんごをもってきた女王…そのときのかっこうは??

「白雪姫」では、魔法の鏡によって、「国でいちばん美しい」のは白雪姫と言われます。

美しいことにこだわる女王はあの手この手で、白雪姫を殺そうとします。

最初は狩人に白雪姫を殺すことを頼みますが、うまくいかないため、いよいよ自分の手を汚すことに……。

7人のこびとの「誰も家にはいれてはいけないよ」という注意むなしく、女王のもってきた毒りんごを食べて白雪姫は死んでしまいます。

「もちろん知ってるよ!」と言う声が聞こえそうですが、このとき女王はだれのかっこうをしていたでしょうか? というのが、今回の問題です。

今回の問題は『グリム童話第1版』から「第7版」まで変更がない設定なので、みんな正解できるはず!

りんごをもってきた女王がコスプレしたのは、もちろん……

白雪姫は実は3回襲われていた! こりない白雪姫と粘着質の女王の手に汗にぎる攻防戦!

答えはわかりましたか? おばあさんと答えた人が多かったのではないでしょうか?

もちろん答えはおばあさん……と言いたいところですが、実は答えはC)農家のおばさんのふりをしてあらわれたのです。

りんごを売りに来るのだから、りんご農家の人のかっこうをしていないと、信ぴょう性がないのはたしかに!

女王は、狩人への殺人依頼が失敗したあと、1度目は行商人に扮して、ひもを売りに行き、そのひもで白雪姫を殺そうと! 

2度目はおばあさんになり、毒を塗った金の櫛を頭に突き刺します。それでも蘇生してしまう白雪姫を殺害しようと、りんご売りの農家のおばさんになりきり、毒りんごを食べさせ、とうとう殺害に成功するのです。

こりない女王と、7人のこびとに「知らないひとにドアを開けちゃいけないよ」と言いつけられても、何度でも知らない人と話し、殺されそうになる白雪姫。

そのたび「ドアじゃなくて、窓だからいい……」などと自分に言い訳するのも白雪姫は7歳……と思えば、納得かも?

グリム童話はもともと民衆の口伝てのお話なので、こうしたくり返しが多く、当時のアドベンチャー&ホラー&ミステリーとして、子どもたちがワクワクとベッドで話を聞いた様子が目に浮かぶようです。

もちろんそのとき子どもたちは、「知らない人にドアを開けるとこうなるよ!」と厳しく言いつけられたはずです(……とはいえ、第1版では女王は、白雪姫の実の母親なので、知らない人では全然ないのですが……)。

当時は、労働力としての子どもの誘拐も日常茶飯事だったので、親も心配だったのでしょう。

「知らない人にドアは開けない」は今も変わらないですよね! 物語が人間世界での生き方を学ぶ、とっても面白い教科書だったことがよくわかります。

毒りんごがとってもおいしそう……と言うのも、現代に通じるものがありますね。おいしい話にだまされると……?

おもしろいから読みたくなる! おもしろくてワクワクする世界へ旅立とう!

いかがでしたか?

「グリム童話って思ったのとは違ってた!」「もう1回読んでみたい」と思ったら、グリム童話第1版を読んでみるのも楽しいかもしれません。

また子どもとクイズや謎解きを楽しみたいと思ったら、廣嶋玲子氏の新作シリーズを物語の入り口にするのもいいかも!

「銭天堂の次はこれ!」と子どもに手渡すと、親の株があがるかもしれません。

想像力の半径をどんどん広げて、人間の心……というふしぎな源を、どんどんのぞいてみませんか?

『鬼灯の冷徹』江口夏実氏のかわいいキャラデザも見ごたえたっぷり
『ふしぎな図書館と魔王グライモン』作・廣嶋玲子 絵・江口夏実/講談社

『ふしぎな図書館と魔王グライモン ストーリーマスターズ1』
(作・廣嶋玲子 絵・江口夏実)

学校の図書館でひさしぶりに読んだ『世界の名作』。でもこんなにつまらなかったっけ?

何百年も生き残った、最高にワクワクする名作たちが、だれかの手によって、めちゃくちゃつまらない話になっちゃった!

こんなのありえない! 物語の世界を救うには、物語から盗まれた「大事なキーパーツ」を探しださなきゃ!

本好きならだれでもあこがれる、名作の世界に飛び込んじゃおう!

「銭天堂シリーズ」累計400万部の廣嶋玲子×累計1500万部超『鬼灯の冷徹』の江口夏実が、想像力を守るためにタッグを組んだ! 発売たちまち大重版。全国書店・図書館関係者が熱烈支持! の新シリーズです。