2021.01.12

えがしらみちこ 「はじめました えほんやさん」第3回

著者:えがしら みちこ

※この記事は、講談社絵本通信(2018年10月)掲載の企画を再構成したものです。
 

こんにちは。絵本作家のえがしらみちこです。

10月6日に無事お店がオープンし、3週間が経とうとしています。
実は、開店直前まで内装業者さんが施工しており、工事と準備が同時進行でかなりバタバタな状態でした。

もう二度とあんな体験したくない……(涙)

そして、お店の扉がひらかれ、お水が流れ込むようにお客さんが入ってきて、ついに「えほんやさん」が開店したのでした。
クラウドファンディングをきっかけにローカルテレビ の密着取材があり、さらに新聞などでも取り上げていただいたおかげでたくさんの方々にいらしていただいてます。

関心をもっていただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます。

初めてのクラウドファンディング

クラウドファンディングの存在は、SNSやテレビなどで見かけたことがあり、「そういう資金調達の方法があるのだなぁ」と傍観している立場でした。まさか自分がやってみる時がくるなんて。

利用してみようと考えたのには、いろいろな理由があります。

・お店のオープン後に宣伝するより、作るところから見てもらいたい。
・(もし私だったら)設立資金のことだっていろいろ知りたい
・遠くの方にもみんなでつくっているという意識を持ってもらえたら最高だなぁ

……そのためにはどうしたらいいのかな、と考えていたときに思い浮かんだのが「クラウドファンディング」でした。

それと、耐震工事が必要でどうしても大きな金額がかかってしまい、その分の費用を全く計算にいれていなかったということもきっかけでした。


でも、これを利用することによってまわりの人たちにどう思われてしまうのかとても心配……。
なので、「とりあえずたたき台として文章をつくって、周囲の人に相談しよう」→「やるかまだわからないけど、写真を撮ってもらっておこう」→「返礼品も考えてみて、客観的に見てみてから実行を検討しよう」
……と、少しずつ進めてみたものの最後の最後まで実行するかどうか悩んでいたのでした。

でも「ただ絵本を販売するだけでなく、絵本を扉にしていろいろな文化と繋がれるきっかけの場所にしたい!」という思いがなによりも強かったので、やってみないで後で悔やむより、やってみて次にどうしようか考えよう。
と実行を決意したのでした。

クラウドファンディングから得たもの

実際にクラウドファンディングをやってみて、たくさんのことを学びました。

スタート前夜は、不安と緊張とで何度も夜中に目がさめました。
もし、達成しなかったら……誰も応援してくれなかったら……と考えるのも怖くて、自分がちっぽけで誰にも好かれていない存在のように思ってしまうくらいでした。

でも、親戚やお友達、絵本のファンの方、SNSを見て共感してくださった方々・・・
自分では想像もしなかった色々な方が応援してくださったことに、本当にびっくりして、たくさん勇気づけられました。コメントもひとつひとつ読むのが嬉しくて、あのときの気持ちはずっと忘れられません。

私ひとりでは大きすぎる夢
「三島を本の街に。そして、私の経験を土台にして、全国各地で同じような試みが行われるようになり、日本がもっと、絵本や文化・芸術に理解のある国になっていったら……。」という思いは、一人では難しいことが多いけれども、ご支援くださった方々の思いがあわされば、きっと実現するのではないかなと考えています。


はじめての本屋さん業務で、日々の仕事をこなすだけでヘトヘトな毎日ですが、土台をしっかり作って、原画展やワークショップ、イベントなどを定期的に開いていきたいな。


引き続き「えほんやさん」をよろしくお願いします!

来月は、2ヶ月近く本屋さん業務をやってみて感じたことを綴ってみたいです^^

<参考>
↓クラウドファンディングのページ(注:プロジェクトは終了しています)
https://readyfor.jp/projects/ehonyasan

えがしらみちこの絵本

お気に入りのワンピースきて、あたらしいおくつをはいて、じゅんびできたよ、いってきまーす。 春のそよ風がふくいちにちに、おさんぽで出会ったのは? たんぽぽ、ちょうちょう、やさしい風……季節感がみずみずしいタッチで描き出されます。春のおさんぽに出かけたくなる絵本。

『はるかぜさんぽ』
作:江頭路子 講談社

お気に入りのかさもって、ながぐつはいて、カッパ着て、じゅんびできたよ、いってきまーす。かえるやあじさい、おたまじゃくしと女の子のかわいらしい出会いが、楽しげな雨音とともに繰り広げられます。 ちいさな女の子の雨の日を追いかけた、ちょっぴりファンタジックなお話。雨音の楽しさや、雨に濡れた景色の美しさが、透明感あふれる水彩画で表現されています。

『あめふりさんぽ』
作:江頭路子 講談社

おひさまがさんさんと照る、夏のいちにち。あーちゃんがおさんぽで出会ったのは? おひさまさんさん降りそそぐ中、どんなおさんぽになるのでしょう。 リズム感あふれるお話に、まばゆいほど夏の季節感いっぱいの絵。夏が待ち遠しくなる絵本です。

『さんさんさんぽ』
作:江頭路子 講談社

秋のつめたい風のなか、おさんぽで出会ったのは、どんぐり、みのむし、まっかなおちば……。季節感がみずみずしいタッチで描き出されます。秋のおさんぽに出かけたくなる絵本。『あめふりさんぽ』『さんさんさんぽ』『ゆきみちさんぽ』『はるかぜさんぽ』につづく、人気シリーズ。

『あきぞらさんぽ』
作:江頭路子 講談社

お気に入りのマフラー巻いて、帽子にてぶくろ、ブーツをはいて、じゅんびできたよ、いってきまーす。 雪がいちめんに降ったある日、おさんぽで出会ったのは、どんな音? 冬のつめたい空気や透明感がみずみずしいタッチで描き出されます。雪の日が待ち遠しくなる絵本。

『ゆきみちさんぽ』
作:江頭路子 講談社

「ねえママ、おばけの音が、きこえるの」夜、こうちゃんは、おばけがこわくてねむれません。チクタク、チクタクの音は、なんのおばけ? カタカタ、カタカタの音は、なんのおばけ? ヒューヒュー、ザワザワの音は、なんのおばけ? するとママが、おばけたちのことを教えてくれます。おばけたちと仲良くなって、ぐっすり眠りにつくまでのお話。

『ねんねのうた』作:江頭路子 講談社

著者紹介

えがしら みちこ えがしら みちこ

1978年、福岡県生まれ。熊本大学教育学部卒業。水彩を使用した透明感のある画風が特徴。絵本に『あめふりさんぽ』『さんさんさんぽ』『ゆきみちさんぽ』『はるかぜさんぽ』『ねんねのうた』『いちねんせいの1年間 わたし、もうすぐ2ねんせい!』(文・くすのきしげのり)『せんそうしない』(文・谷川俊太郎)『はこちゃん』(文・かんのゆうこ 以上すべて講談社)、『おたんじょうケーキをつくりましょ』(教育画劇)、『なきごえバス』(白泉社)、『いろいろおてがみ』(小学館)、『しいちゃんおひめさまになる』(アリス館)、『あのね あのね』(あかね書房)、『あなたのことが だいすき』(原案・西原理恵子 KADOKAWA)など、装画と挿絵に『あかりさん、どこへ行くの?』(フレーベル館)、『さくら 原発被災地にのこされた犬たち』(金の星社)などがある。雑誌や教科書などの挿絵も多く手がけている。静岡県三島市在住。