2021.12.03

ブックマーク

モンテッソーリ教師とママ医師が教える 赤ちゃんの夜泣きを解決する3つのコツ 

モンテッソーリ教師・田中昌子先生×東大卒のママ医師・森田麻里子先生の子育て対談#2〜赤ちゃんの睡眠編〜

編集者・文筆家:高木 香織

0〜2歳半頃までの子どもは基本的な動きを獲得する時期。スプーンを使い、玉を隣の皿へ移し替えるだけでも学びに。これら子どもの作業(活動)をモンテッソーリ教育では子どもの「お仕事」と呼びます。写真は1歳6ヵ月の幼児。
写真提供:田中昌子

赤ちゃんの「ねんねトレーニング」や科学的な子育てで注目の東大医学部卒ママ医師・もりたま先生こと森田麻里子先生が、最近モンテッソーリ教師の田中昌子先生の勉強会に入会した、と聞きつけました。

もりたま先生は、モンテッソーリを学ぶうちに出合った『モンテッソーリで解決! 子育ての悩みに今すぐ役立つQ&A68』を読んで、とても感銘を受けたといいます。

「田中先生に聞きたいことがあるんです!」というもりたま先生の熱い思いを受けて、対談が実現。今回は赤ちゃんの睡眠について語り合います。(全3回の2回目。#1を読む)

モンテッソーリ教師として活躍される田中昌子先生(左)と、東大卒のママ医師「もりたま先生」こと森田麻里子先生(右)によるスペシャル対談で、多くのママたちの悩みである赤ちゃんの睡眠について教わりました。
写真:松井雄希

今は子育てのプロ2人も“初めて育児”は大変の連続!

――小児睡眠コンサルタントとして活躍されているもりたま先生、長年モンテッソーリ教師としてたくさんのママパパたちに指導されてきた田中昌子先生。お2人は今や子育てのプロですが、ご自分の子育ては大変だったそうですね。どのようなことで悩まれたのですか?

森田麻里子先生(以下、もりたま先生):2017年に長男を出産したのですが、夜泣きがひどくて。何をしても泣き止まず、寝不足でフラフラの毎日でした。医学部では産婦人科や小児科の勉強もし、研修医としてお産や赤ちゃんの診察もしていましたから、ある程度、赤ちゃんについての知識はあったんです。
でも、子育てについては大学では教えてくれなかったんですね。

ある晩、長男を抱っこして家の中をウロウロして「眠い……。お願いだから、せめて座らせて」と思いながらふと見たら、長男がすごくつらそうだったんです。「眠れないのに眠れなくて、本当につらいのはこの子なんだ。ああ、これは私が変えなきゃいけない」と、そのとき初めて気づいたんです。

それから海外の研究論文を必死に読み漁り、そこで得た知見を使ったら、なんと長男は3日で夜泣きをしなくなったんです。この方法を、ママやパパに伝えたい。それで「ねんねトレーニング」に取り組むようになりました。

田中昌子先生(以下、田中先生):ご著書の『医師が教える赤ちゃん快眠メソッド』『子育てで眠れないあなたに』読ませていただきました。30年前にこの本が欲しかったです。実は、私もすごく苦しんだので……。

もりたま先生:そうだったんですか?

田中先生:長女はたそがれ泣き、次女も夜泣きがひどくて。マンションの階段でずっと娘を抱いたまま、私もボロボロ泣いて。おなかもいっぱい、お尻もきれい。だけど眠いのに泣いている……。あらゆることを試しましたけどダメで、がまんして乗り切ったんです。

今はこんな「ねんねトレーニング」があるなんて、科学は進歩したんですね。うらやましいわ。

「私も多くのママたちと同じように、娘たちの睡眠には悩まされたんですよ」と田中昌子先生。
写真:松井雄希

解決のコツ①赤ちゃんもママも「ぐっすり睡眠上手」

――赤ちゃんの夜泣きを減らすために、どんなことをしたらいいですか?

もりたま先生:まず赤ちゃんを観察して、その子にあった生活リズムや寝室の環境を整えること。具体的には、こんなことをします。

①    朝は早起きさせて、夜になったら布団に横にすると眠くなるようなリズムを作る。
②    夜7時にはお風呂に入れて寝る準備をする。
③    寝室はできるだけ暗くする。室温は冬は19度、夏は26度くらいを保つ。


このように環境を整えると、ぐっすり眠れるようになりますよ。

田中先生:「インターネットで検索すると正反対の答えがあって、どちらを選んだらいいか困ります」というお母さまたちも多いですよね。

もりたま先生:本当にそうですよね。「抱き癖がつくから抱いてはダメ」「抱っこした方がいい」とあって、「正解はどっちなの?」って。ただ、どの答えもいいところがあると思うんです。状況によって変わるし、そのお子さんによっても違うんですね。情報を持ったうえで、子どもを観察して、「今、この子はどちらを求めているのか」を判断して考えていけるようになったらいいですね。

――もりたま先生の著書『科学的に正しい子育て』(光文社新書)には、2006年のヴァージニア大学とウィスコンシン大学の共同研究が取り上げられていますね。

もりたま先生:はい。私の本ではエビデンスに基づくものを科学的といっていますが、モンテッソーリの考え方もとても科学的だと思います。

研究内容は、モンテッソーリ教育の幼稚園と小学校に応募してきた子どもたちのうち、入学した59人と他の学校に進んだ53人を追跡調査したものです。5歳では文字や単語、数学といった学力や実行力、社会性、善悪の判断などの点において、さらに12歳の時点でも物語の構成、社会性、学校という共同社会への所属感においてモンテッソーリ教育を受けている子の方が優れていたという結果が報告されています。

もりたま先生は、子育てに役立つ多くの情報をSNSでも多く発信しています。
写真:松井雄希

解決のコツ②ちいさなお布団で背中の環境を変えない

もりたま先生:モンテッソーリには、夜泣きにおすすめのアイテムがありますか?

田中先生:抱っこしてようやく泣き止んだと思ったのに、布団に下ろした途端に泣き出してしまうことってありますよね。それは、背中の環境が変わって「背中スイッチ」が入ってしまうから。赤ちゃんは触覚や嗅覚がとても敏感で、それらが変わると不安になってしまうんです。

そのお悩みを解決してくれるのが、「トッポンチーノ」という小さいお布団です。これがあると、首が座っていない新生児の抱っこも楽ですし、そっと下ろしてもそのまま眠っていますよ。あらかじめママのにおいをつけておくといいですね。

「トッポンチーノ」なら、抱っこしたままそっと下ろしても、赤ちゃんはすやすや眠っています。
写真提供:田中昌子

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