やる気が出ないうちの子どうしたらいい?親子でできる憧れさがし

齋藤孝先生の子ども相談室

得意なことがない。やりたいことがない。と言われて。 どうしたら、やる気になってくれますか?

「かっこいい!」その気持ちが、お子さんの、やる気スイッチを押してくれるかもしれません。写真:アフロ

「勉強にしろ、スポーツにせよ、得意なこともやりたいこともないと言う息子。とにかく毎日ダラダラすごしていて、この先が心配です」(小5男児・神奈川県・30代後半)

「かっこいい人」「ステキな人」を見つけることから。
憧れの気持ちが、きっと原動力になる
 

自分の子が、「〇〇が好き!」「★★が得意」と言ってくれないと、不安になってしまう気持ちは、よくわかります。ついつい、将来に結び付けて考えてしまい、心配になってしまったりしますよね。

動画、テレビ、本、映画。きっかけはなんでもいいのです。夏休みはいい機会です。一緒に、図書館や書店に足を運んでみる。一緒に、テレビや映画を見る。なにげなく読んだり見たりする中に、「この人、かっこいい!」「この人、すごい!」と思える出会いがあるかもしれません。

その「憧れ」の気持ちが、お子さんのやる気スイッチを押してくれるはず。同じような生き方をしたいと思ったり、同じ職業を目指したいと思ったり。しぜんに「夢」につながっていきます。

また、「憧れ」の対象や、「夢」はどんどん変わってもかまいません。「すごい!」「なりたい!」と思える――気持ちが動くことが大切です。

お子さんが、憧れからなにかをはじめたとして、続かなくても叱らないでくださいね。たとえ短期間であっても、なにかに取り組んだことは、決してムダにはならないからです。

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齋藤孝(さいとう・たかし)
1960年静岡県生まれ。明治大学文学部教授。東京大学法学部卒。専門は、教育学、身体論、コミュニケーション技法。『身体感覚を取り戻す』(NHK出版)で新潮学芸賞受賞。『声に出して読みたい日本語』(草思社)で毎日出版文化賞特別賞を受賞。NHKEテレ「にほんごであそぼ」総合指導。著書に、『地アタマを鍛える知的勉強法』『すごい「会話力」』、「齋藤孝のイッキによめる!」シリーズ(以上、講談社)ほか。著書発行部数は合計1000万部を超える。