習い事では親同士のつながりも大切

「ゲムトレ」を立ち上げるにあたって、小幡さんが大事にしたもののひとつが「親の会」というコミュニティです。

「普通の習い事をしていると、送り迎えで親同士が顔を合わせて話すようなことがありますよね。そんな感覚で親同士がつながってほしいと思って、『ゲムトレ親の会』というオンライングループを作っています」(小幡さん)

子どもの習い事とは、親の間で発生するコミュニティにも価値があると小幡さんは考えます。

「子どものゲームのやり方や関わり方、『うちの子どもがこう言っている』のような些細な話を共有して、ゲームを通じて横のつながりを持ってもらえたらいいなと思っています」(小幡さん)

実際、このグループで親がやりとりをしていると、トレーニング時間外の子どもたちがその場に登場してきて子ども同士が約束をしてゲームをすることもあります。

ゲームという共通の話題で、親子ともに交友関係が広がっていくというのも、「ゲムトレ」を作ったひとつの意義なのかもしれません。

自身もゲームを通じてたくさんの仲間を増やしていった小幡さん。親子ともに、ゲムトレがそのような交流の場になることを願う。 Zoom取材にて

親子の選択肢に ゲームが入る世界に

囲碁や将棋などの歴史が長いボードゲームと比べ、まだまだゲームへの世間的な評価は低いと感じている小幡さん。

「囲碁や将棋で頑張って勝ち進むと高い評価をされますよね。ゲームがなかなかそうならないのって、歴史が短いからかなと思うんです。

でも、歴史こそ浅いけれど、競技人口(※2)や、賞金(※3)は、ゲームの方が圧倒的に多いじゃないですか。フォートナイトは一回の大会で優勝者に3億円とか、総額100億円以上の賞金がもらえるのに、なぜか評価されない。

どちらが立派という話ではないですが、これはどうしてだろうと思いますね」(小幡さん)

※2「ゲームの競技人口」=フォートナイトは全世界で3億人超のプレー人口といわれている(2022年3月現在)。一方で、「レジャー白書2021」(日本生産性本部・編集発行)によると2020年の将棋人口は前年の620万人から530万人、囲碁人口も前年の230万から180万人といずれも大きく減少している。

※3「ゲームの賞金」=囲碁の日本棋院に所属する棋士の令和3年賞金ランキングによると、棋聖、名人、本因坊を防衛し王座、碁聖を奪取した井山裕太五冠(32)が対局料を含め1億3384万円。


小幡さんの願いはひとつ。ゲームがひとつの競技コンテンツとして、ほかのスポーツやボードゲームなどと対等に評価される世界です。

「ゲームがない世界って、もう想像ができないです。スポーツもゲームも、どっちも頑張っていたらいいよね。親子の選択肢に、ちゃんとゲームも入ったらいいなと思います」(小幡さん)

◆◆◆◆◆

子どもの習い事の一丁目一番地(最優先重要課題)は、「好き」を理解し、認めて応援してあげることかもしれません。

人生がより豊かなものになるよう、大好きなゲームをとことん突き詰められる環境が作れたらいい、と小幡さん。

ゲームをもって世界を味方につける方法を、子どもたちに伝えてくれているような気がします。

取材・文/遠藤るりこ

※小幡和輝さんインタビューは全3回です。
#1 不登校10年から起業家! ゲーム家庭教師がすすめる「不登校の練習」
#2 朝ゲー推奨!「ゲムトレ」教師がフォートナイトを子どもに教えるワケ

15 件
おばた かずき

小幡 和輝

Kazuki Obata
起業家・作家

1994年和歌山県生まれ。ゲームのオンライン家庭教師「ゲムトレ」代表。「#不登校は不幸じゃない」発起人。約10年間の不登校を経験。当時...

えんどう るりこ

遠藤 るりこ

ライター

ライター/編集者。ママとベビーのためのライフスタイルメディア「代官山スタイル by blossom39」編集長。東京都世田谷区で三兄弟...

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