スポーツ嫌いな子どもでもドハマリ 運動遊びのおすすめゲーム5選!

「JUMP‐JAM」監修者 千葉工業大学創造工学部・引原有輝教授 #3~「運動遊び」実践編~

千葉工業大学創造工学部教授:引原 有輝

ゲーム「リバーシ」で盛り上がる子どもたち。  写真:一般財団法人児童健全育成推進財団

子どもを中心に全国の児童館を支援する一般財団法人児童健全育成推進財団と、世界的スポーツブランドのナイキがパートナーシップを組み、日本の子どもの運動状況を考慮して、独自に開発された運動遊びプログラム「JUMP‐JAM(ジャンジャン)」。

現在、「JUMP‐JAM」は、東京都内の児童館132ヵ所で実施されていますが、もちろん自宅や公園でも楽しむことができます。HPにはイラストとともにやり方が説明されているので、家族や友達と遊んでみましょう。

今回は、62あるゲームの中から人気のゲームや、親子など少人数でもできるおすすめの遊びについてご紹介します。引き続き、「JUMP‐JAM」を監修した千葉工業大学創造工学部の引原有輝教授に伺いました。

※全3回の3回目(#1#2を読む)

引原有輝(ひきはら・ゆうき)PROFILE
千葉工業大学創造工学部教育センター/創造工学研究科デザイン科学専攻教授。博士(体育科学)。東京都教育庁主導の統一体力テスト分析委員会委員。LEGO®SERIOUS PLAYトレーニング修了認定ファシリテータ。

千葉工業大学創造工学部の引原有輝教授。  写真:引原有輝

遊びを通して子どもたちに見られる変化

子どもたちの心身の発達を支援するために開発された運動遊びプログラム「JUMP‐JAM(ジャンジャン)」。

監修の千葉工業大学創造工学部の引原有輝(ひきはら・ゆうき)教授は、月に3回ほど地元・流山市の小学校の体育館を借りて、「運動あそび教室」を開いているそうです。

「次男が小学4年生のころに『遊んであげるから友達を呼んでおいで』と声をかけたのが始まりで、そこから評判が広まって人が増え、ついには教室を開くことになりました。

現在70名ほどの会員がいて、千葉工業大学の学生にも手伝ってもらいながら開催しています。年中から中2まで、運動が好きな子も嫌いな子もいっしょになって遊んでいます」(引原教授)

みんなで運動遊びをしたり、イチから遊びを作ったり。毎回3時間半ほど実施されていますが、「運動嫌いなうちの子がずっと遊んでいる!」と驚くパパママもいるほど、みんな夢中で遊んでいるといいます。

性別や年齢に関係なくみんなで遊ぶ「運動あそび教室」の様子。  写真:引原有輝

子どもが大盛りあがりするゲーム2選

そんな教室で人気のゲームの一つが、「王様しっぽ取り」です。

これは、2チームに分かれて各陣の最奥に王様を配置し、それぞれ腰につけたフラッグを取り合いながら、最終的に王様のフラッグを取ったほうが勝ちという遊びです。フラッグをボールに変えたり、陣を取っ払うなどアレンジは無限。

流山市立総合運動公園を使って屋外で遊ぶことも。遊びながら、さらに新しい遊びを作っていく子どもたち。  写真:引原有輝

エンドレスリレーとも呼ばれる「トムジェリ」も、毎回盛り上がるゲームです。

2チームに分かれて勝敗を競いますが、ポイントは、半周ずつスタート地点をずらし、第1走者だけ反時計回りに走ること。

第2走者以降は時計回りに走り、各走者は1周したら次の人にタッチして交代します。前を走る相手チームの走者をタッチできたら勝ちとなるため、タッチできるまで何度も交代して走り続けるというリレーです。

最近では、コースの途中にマットや三角コーンなど、さまざまな障害物を設置するなどして、子どもたち自らが遊びを盛り上げる姿も見られるといいます。

「異年齢で遊ぶ場合は、高学年4人と、低学年10人くらいでチーム分けをします。最初は足が速い高学年の子が一気に追いついていきますが、4人しかいないためすぐに走る順番が回ってきてしまい疲れるのも早い。

一方、低学年は10人体制のため一人ひとりの疲労感は少なく、するとだんだんと逆転現象が起きてくるんです。こうした工夫で、年齢が離れていてもいっしょに盛り上がることができます」(引原教授)

いずれも「JUMP‐JAM」のゲームなので、ぜひHP(※1)で遊び方などをチェックしてみてください。
※1=JUMP‐JAM公式HP

みんなで遊んだあとは、子どもたちに〝あそび考案用紙〟を渡して「次回までに、自分はどのように遊びたいかを考えてきてごらん」と伝えるという引原教授。

すると、絵を描いたりしながら、新しい遊びを一生懸命考えてくる子が多いといいます。

「子どもたちが考えてきた遊びは、みんなに紹介して、実際に遊んでみます。とにかく自分たちが考えたものをやるという習慣をつけるんです。

次第に、最初はルールどおりにしか遊べなかった子どもが、『この間やった遊びを、こういうふうに変えて友達と遊んだよ』などと言ってくれるようになってきました。

こうした『もっと面白いものにしていく』という意識が、子どもたちには大切です」(引原教授)

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