窪塚洋介「当時の俺の夢は『人と話せるようになりたい』だったんです」

【大人気連載復活】わたしが子どもだったころSeason2:Vol3.窪塚洋介さん (3/3) 1ページ目に戻る

結局、気合と根性。昭和だけど

でも今の子どもって大変だよね、SNSがあるから。俺の子ども時代にはなくてよかったと、本当に思う。たぶんあったら、発信しすぎて収拾つかなくなっていたんじゃないかな。実際に俺、初期のころに2ちゃんねるで散々叩かれましたし。それで、卍LINE名義でレゲエ活動をしていたころ、叩いてくるヤツらに言ったんですよ。「ライブにおいでよ、ステージで喋らせてあげるから」って。それで「ディベートしようよ」ってしつこいくらい誘っていたんだけど、誰一人出てきませんでしたからね。そのとき、「あ、この声の主たちは現実には存在しないんだ」と気づいた。それでSNSとの折り合いのつけ方が分かったというか。
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俺のやり方って、こんなふうに全部痛み療法なんですよ。25歳のときにマンションの9階から落っこちたときも、そう。死ぬ気なんて全くなくて、事故なんですけど、記憶がなくて。言っても時間は戻らないのに、会う人すべてに言い訳をしたくてたまらなくて。もう情けなくてみじめで、あのころの俺は人前でサングラスを外せなかったですからね。
だから当時の俺の夢は、「人と普通に話せるようになりたい」だったんです。めちゃくちゃハードル低いでしょ?(笑)それぐらいオチてたんですけど、もがいて乗り越えて、今こうして普通に話せるようになりましたから。あれ以上にしんどいことはないけど為せば成る。結局、気合と根性だと思うんですよ。昭和な考えだけど。
だから俺が今の子どもたちに伝えたいことがあるとしたら、「自分を信じろ」ですね。自分を信じて、気合と根性で一歩踏み出す。今ってSNSもあるからいろいろスマートにできてしまうけど、もっと痛い目を見たらいいと思う。物事って全部、良くなるために起こっていると思うから。チャンスってピンチの顔をしてやってくるんですよ。まあ俺の場合、その壁を乗り越えるのに10年かかったけど、今はあの事故の経験が俺を守る最強の壁になってくれていますから。

“予祝”の精神で生きていく

この先の人生は……、すべては延長線上にあるので、この延長線上にいたい、じゃなくて、いると思っています。「全部良くなるために起こっているんだ」と受け止めていけば、きっと楽しくなる。コロナ禍のときも、大変な目に遭った方も多いので気軽に言えないけど、俺は腸活を始めて体調が良くなったし、この先も一緒にいたいと思える、自分にとって必要な仲間が見えたし。たしかに子どもたちは大切なイベントが中止になったり、黙食を強いられたりかわいそうなこともいっぱいあったけど、それすらも、「なら10倍取り返して楽しむ!」というエネルギーに変えればいい。大事なのは、そう思って行動できているか、ということだと思う。
だから俺、初詣でも「いい年になりますように」とは絶対にお願いしません。「いい年にします」と宣言するし、何なら「いい年にしてくれてありがとう」と先に御礼を言う。“予祝”ですね。これ、まだ20歳そこそこのころに、弟をドライブに誘って車の中で説いたんです。「お前にこの世の秘密を教えてやる。予祝といって、先に“ありがとう”というのが人生うまくいく秘訣なんだ」って。弟はどうだったか? 聞いていなかったでしょうね。
窪塚洋介
1979年5月7日生まれ。神奈川県横須賀市出身。1995年に俳優デビューし、映画を中心に舞台でも活躍。2017年にマーティン・スコセッシ監督作『Silence-沈黙-』でハリウッドデビューを果たす。国内外の話題作に多数出演するほか、音楽活動、モデル、執筆、陶芸や墨画の創作など多彩な才能を発揮。自身のYouTube番組やゴルフアパレルブランド、日本酒などのプロデュースにも注力している。一男一女の父で、長男は俳優の窪塚愛流。
『人生を“縁”で導く生存術』
窪塚洋介 著 
NORTH VILLAGE刊 ¥1980

デビューから30年の軌跡を余すところなく綴った自伝的一冊。15歳での芸能界入りから、トップに上り詰め有頂天になった時代、そして葛藤、転落、困窮を経て再起を果たす。その過程で見つけた思考法、自分軸、そして縁とは……? 著者のエネルギッシュで不屈な生存術に圧倒される!
写真/恩田亮一 取材・文/山本奈緒子
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げんき編集部
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幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki

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