小児科医に聞く「子どもに食べさせたい食事と注意したい食材」

「医師が教える 子どもの食事50の基本」の著者、小児科医の伊藤明子さんインタビュー #2

げんき編集部

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2023年1月の発売以来、9万部を超えるヒットを記録している「医師が教える 子どもの食事50の基本」(ダイヤモンド社刊)。著者である赤坂ファミリークリニックの院長で小児科医の伊藤明子医師に、「子どもの食事で本当に気をつけてほしいポイント」を伺いました。

子どもの性格にも影響するという栄養バランス。今回は、忙しくてもできる栄養バランスを意識した食事についてお話をお聞きしました。

ごはんは雑穀、食パンは雑穀パンを

──栄養バランスを意識したくても、忙しいとなかなか手軽な食材に頼ってしまいがちですが、注意すべきことやおすすめの食事はありますか?

「朝や移動中の車の中など、手軽に与えやすいのはパンですね。でもやはり、食品表示をよく見てみてください。一般的によく売られている食パンのショートニングに注意してほしいです。

できれば食パンはライ麦パンだったり、ホームベーカリーをお持ちの方はご自身で作ってみてください。プロテインパウダーやくるみを入れてみたり、栄養面を意識しながら作るときっと楽しいですよ」
パン食に加えてほしいのは、例えばヨーグルト。はちみつやジャムをかけずに、たんぱく質がとれるものを選んでほしいですね。子どもでも食べやすいフルーツの味がしっかりついたものもあります。そこにゴマやきな粉を入れてもいい。

ごはんは白米だけよりも、食物繊維が豊富な雑穀をお米に混ぜて食べることをおすすめします。腸活としてヨーグルトなどで善玉菌をとる人が増えていますが、善玉菌のエサとなるのは食物繊維。食物繊維がなければ意味がありません。

手軽に使えるおすすめ食材

手軽に栄養素をプラスできるのは、しらすとかつお節です。

しらすはカルシウムとビタミンDの両方を含む効率の良い食材で、お湯にくぐらせて塩抜きすれば離乳食に使えます。

かつお節はたんぱく質としてもビタミン・ミネラル源としても優れた食材です。うま味成分の1つ、イノシン酸を含んでいます。出汁の効いた食事は味覚を刺激し、脳の発達にもつながります。

揚げ物に注意! 薄味の惣菜を探して

──便利な市販惣菜に頼ることもあります。ただ、市販の惣菜は揚げ物が多い。購入する際、どんなことに注意すればよいでしょうか?

「便利な惣菜は上手に使っていただきたいです。ただ、揚げ物は要注意です。塩分と脂が気になります。酸化と糖化によって病気になりやすい体を作ってしまうし、脳の機能にも関係します。

迷ったら、たんぱく質を摂れる食材かどうかで選んでみてください。焼き鳥や焼き魚など、自宅では調理の手間がかかる料理を選ぶのもいいと思います。

ハムやベーコンなどの加工食品も無添加のものや、薄味で着色料を使っていないものを選んでみましょう」

おすすめは「とん汁」

「私も働きながら二人の子どもを育てました。野菜がたっぷり入ったカレーやシチューを大きな鍋で作ったり、夏でも鍋をやったりしましたね。休日に料理を多めに作って小分けして、冷凍保存していました。

一番のおすすめは、とん汁です。お肉は動物性たんぱく質。食べ応えがありますし、お野菜もたくさん入れると食物繊維もしっかり摂れる。豆腐は植物性たんぱく質。味噌は発酵食品で栄養学的にも相性がいいんです」
すべてを意識することは難しいかもしれませんが、雑穀やライ麦パンに親子でチャレンジしたり、できることから少しずつ取り込んでみましょう!
もっと詳しく知りたい方は、こちらもチェック!
「医師が教える 子どもの食事50の基本」
「医師が教える 子どもの食事50の基本」(2023年1月11日)
著者:伊藤明子/定価:1650円(税込み)/ダイヤモンド社刊
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げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki

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