「じいじの出番」1分で心があたたまるエピソード【専門家おすすめ絵本とエッセイ】

5人の孫と楽しむ絵本の魅力を綴る「ばあばのまごまご絵本日記」#36

絵本コーディネーター:こが ようこ

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作家であり、絵本コーディネーターのこがようこさんが、5人のお孫さんといっしょに絵本を楽しむ日常を綴った「まごまご絵本日記」は、1分で心が温まるエッセイ! 孫育て世代にも子育て世代にも心に響くエピソードです。

今回は、ある日の家族LINEでの出来事、そして、雨の日にぴったりの絵本をご紹介。ぜひ絵本選びのヒントにしてみてください♪

「じいじ会社休みまーす!」

みなさんは実家のご家族とのグループLINEってお持ちですか? わが家にはあります。

じいじとばあば、長女と次女でのグループLINE。これがねえ、なかなか活発に機能しているのです。すべてじいじの家族愛の賜です。

じいじは毎朝4時半に目を覚まし、通勤電車から「おはよう!」と朝イチでLINEを送ってくれます。しかも孫5人の名前をコピペせず毎回ちゃんと漢字入力しての「おはよう!」。結構ややこしい漢字もあってエラいなあと思います。自分がもっと年をとったとき、「孫の名前の漢字を忘れてはいけないから」というのが理由だそう。涙ぐましい努力です。

長女次女、わたしはそれぞれ自分のタイミングで「おはよう!」と返信。あいさつを交わして一日がスタートします。なかなか気持ちいいものですよ。

孫の誰かが具合が悪くなると、手伝ってほしいこと、手伝えることのLINEが飛び交います。
先日はね、次女の子どもたちが具合が悪くなって園をお休みしなくちゃならなくなった。3人いるとうつし合っちゃうし、元気な子は園に行きたいし。ママパパも会社を休める日ばかりではありません。わたしも打ち合わせと原稿の締め切りが重なって動きがとれませんでした。

そんなLINEでのやりとりを忙しい朝の時間に長女次女わたしで交わしているところに、じいじが参加してきました。「オレが会社休もうかな。休みとりまーす」。

いいですか。うちのじいじは、昨今の育メンパパとは違う昭和のじいさんです。ご飯は作れないし、嘔吐してもどうしていいかわからないんじゃないかな。わたしは心の中で叫びました。

「やめて! 話がややこしくなる!」

結局この日は、パパ方のばあばが看てくれて乗り切ることができました。

でもね、あとでこっそり娘に聞いたら、「じいじがそう言ってくれて心強かったんだ」って。誰かが看てくれるって思うだけでありがたいって。

わたしは反省しました。ごめんね、じいじ。

気持ちの上だけでも支えられているってうれしいことなんだね。そして実際にはできなくたって、みんなで支えようとしている。そこが大事なんだね。次回はじいじにドーンと引き受けてもらいましょう!

『ぱたぱた ももんちゃん』

『ぱたぱた ももんちゃん』(2012年3月15日)
作・絵:とよたかずひこ/定価:990円(税込み)/童心社
風邪が治ったぱっぱちゃん(5歳)、ぴっぴくん(4歳)、ぺっぺくん(1歳7ヵ月)と読みたい絵本。雨の季節にもピッタリです。

ももんちゃんシリーズの1冊。ももんちゃんがヘリコプターに乗って「ぱた ぱた ぱた ぱた」飛んできます。そしてそのヘリコプターに乗り込んできたのが、かみなりぼうやとてるてるぼうず! 3人は空の上で遊びます。ぱた ぱた ぱた ぱた……の音が楽しい絵本です。孫たち、「もももんちゃん」シリーズ大好きです。

『あめあめぱらん』

『あめあめぱらん』(2014年5月)
文:木坂涼、絵:松成真理子/定価:1430円(税込み)/のら書店
「あめ あめ ぱらん ぽつ ぽつ ぱらん」
「みずたま まるい」「まるいは ボール」

詩人の木坂涼さんの言葉の世界が、優しくて温かい絵本。小さな子どもたちにも伝わる簡単な言葉だけれど、雨のうれしさや不思議さや、そして雨上がりの晴れやかな気持ちまで伝えてくれます。松成真理子さんの絵が世界をぐんと広げてくれています。

雨の日にピッタリ。声に出して何度も読んでほしい絵本です。
イラスト・文/こがようこ
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こが ようこ

絵本コーディネーター

作家。絵本コーディネーター。30年以上にわたり、さまざまな場所でおはなしを届ける活動を続ける。絵本作品に『ぺこぺこ ペコリン』(絵・くさかみなこ/講談社)、『どーこかな?』『なんのおと?』(瑞雲舎)、『いやいやいちご』(絵・たかおゆうこ/教育画書)、『おなかのなかのあかちゃんへ』(絵・くのまり/岩崎書店)、「語りかけ絵本」シリーズ(大日本図書)、「わらべうたでひろがるあかちゃん絵本」シリーズ(絵・降矢なな/童心社)などがある。げんきで「こころを育てる絵本1・2の3」を連載。

作家。絵本コーディネーター。30年以上にわたり、さまざまな場所でおはなしを届ける活動を続ける。絵本作品に『ぺこぺこ ペコリン』(絵・くさかみなこ/講談社)、『どーこかな?』『なんのおと?』(瑞雲舎)、『いやいやいちご』(絵・たかおゆうこ/教育画書)、『おなかのなかのあかちゃんへ』(絵・くのまり/岩崎書店)、「語りかけ絵本」シリーズ(大日本図書)、「わらべうたでひろがるあかちゃん絵本」シリーズ(絵・降矢なな/童心社)などがある。げんきで「こころを育てる絵本1・2の3」を連載。

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki

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