なんてかっこいいんだ! 25年ぶりに奄美大島で出会ったアマミノコギリクワガタにうっとり
【ちょっとマニアな季節の生きもの】昆虫研究家・伊藤弥寿彦先生が見つけた生きもののふしぎ
2023.07.18
昆虫研究家:伊藤 弥寿彦
昆虫の島・奄美大島で昆虫観察の旅!
ミカン畑に着いて早々に……!
共に冬にとれますが、とても甘くて本当に美味しいミカンです。連れて行かれたのはタンカン畑。タンカンの樹液にクワガタがいるというのです。毒蛇のハブに注意をはらいつつ、山の中の真っ暗闇のタンカン畑にヘッドランプを付けてお邪魔すると、すぐに大きなガが目に飛び込んできました。オオトモエです。盛んに樹液を吸っています。
それならば、と昨晩のタンカン畑へ、もう一度立ち入る許可をもらって行ってみました。昼間のタンカン畑は夜とは全く様相が違っていました。樹液にはガではなく、ルリタテハやスミナガシなどのチョウが集まっています。樹液をなめてみました。甘い! 本州でカブトムシやクワガタが集まるクヌギやコナラの樹液よりずっと甘くて、これならいろんな虫がやってくるわけだ、と思いました。
夜、たくさんいたクワガタの姿はほとんど消え(一頭だけスジブトヒラタクワガタのメスがいました)、代わりにハナムグリがたくさん集まっていました。そのほとんどがリュウキュウオオハナムグリ! 驚きました。3種類いる奄美大島のハナムグリの中では一番珍しい種類だったのです。同じ場所でも時間帯によって見つかる虫が全然異なることがよくわかりました。
写真提供/伊藤弥寿彦
伊藤 弥寿彦
1963年東京都生まれ。学習院、ミネソタ州立大学(動物学)を経て、東海大学大学院で海洋生物を研究。20年以上にわたり自然番組ディレクター・昆虫研究家として世界中をめぐる。NHK「生きもの地球紀行」「ダーウィンが来た!」シリーズのほか、NHKスペシャル「明治神宮 不思議の森」「南極大紀行」MOVE「昆虫 新訂版」など作品多数。初代総理大臣・伊藤博文は曽祖父。
1963年東京都生まれ。学習院、ミネソタ州立大学(動物学)を経て、東海大学大学院で海洋生物を研究。20年以上にわたり自然番組ディレクター・昆虫研究家として世界中をめぐる。NHK「生きもの地球紀行」「ダーウィンが来た!」シリーズのほか、NHKスペシャル「明治神宮 不思議の森」「南極大紀行」MOVE「昆虫 新訂版」など作品多数。初代総理大臣・伊藤博文は曽祖父。