今回はウルトラマンシリーズ開幕前夜の傑作『ウルトラQ』(1966年)です。
テレビが怪獣たちの大暴れする舞台に!
全国の視聴者を歓喜させるほど、「特撮の神様」円谷英二が監修にあたった『ウルトラQ』のクオリティは高く、作品のサブタイトルに「空想科学シリーズ」と銘打つことで、SFと特撮への覚悟を表明したものでした。
全話を製作し終えたあとに放送をスタートした『ウルトラQ』は空前のヒットを記録し、のちの普遍的ヒーロー・ウルトラマン誕生への布石を打つことに成功したのでした。
モンスターによる侵略(ナメゴン、ガラモン)、大怪獣との攻防(ペギラ、モングラー)、少年ドラマや寓話(カネゴン、ガメロン)、宇宙人の暗躍(ケムール人、ボスタングを操るキール星人)、心霊サスペンス(悪魔ッ子)、社会批判(1/8計画、あけてくれ!)などなど、さまざまなテイストに満ちた、極上の宝石箱を開けたようなエピソード群は、子どものみならず大人の心もつかんだのでした。
『UNBALANCE』から『ウルトラQ』へ!
SFアクションヒーローもので、『ウルトラQ』というよりは『ウルトラマン』につながる作品だったといえそうです。
しかしその企画は成就せず、次にできた企画が、今度こそまさに『ウルトラQ』の前身というべき『UNBALANCE』で、『WoO』に続き日本SF作家クラブの協力も得て、日常のバランスが崩れたらどんな奇妙なことが起こるのかをテーマとしたものとなっていました。
その『UNBALANCE』のテーマのひとつだった、怪獣の要素を強化した発展形として結実したのが『ウルトラQ』で、栄光あるウルトラマンシリーズに続く、テレビにおける第一歩となったのでした。
『Qからシン・マンまで』でウルトラマンシリーズ史をチェック
ウルトラマンシリーズを観るときのお供として、ウルトラヒストリーを振りかえるテキストとして、ぜひチェックしてみてください。
テレビマガジン編集部
日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga Instagram:@tele_maga
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