3月10日 帰ってきたウルトラマン ヤメタランスが人々を無気力にする!

今日は何の日? 「ウルトラ怪獣日和」 3月10日(1972年)

テレビマガジン編集部

『ウルトラQ』『ウルトラマン』の放送が開始され、ウルトラ怪獣が登場した1966年以来、半世紀以上にわたって脈々と続くウルトラマンシリーズ。作品ごとに子どもたちは、現実とフィクションとを一体に感じ、日々、ウルトラヒーローや怪獣たちに夢中になっていた。

あの日、あの時、胸躍らせて目撃したのは何だったのか? 今回取り上げるのは「3月10日」(1972年)。
ヤメタランスを地球に送り込んだ宇宙人・ササヒラーと戦うウルトラマンジャック  ©円谷プロ
1971年4月2日より放送が開始された『帰ってきたウルトラマン』の主人公は郷 秀樹。カーレーサーを目指していた郷は、怪獣タッコングの襲撃の際に子どもを守って命を落とすもウルトラマンジャック(劇中での呼称は「ウルトラマン」)と一体化し、復活。怪獣攻撃隊MAT(マット)に入隊し、怪獣から地球を守るために戦うことを決意する。

次郎の友人で怠け者の勝は、今日も学校をサボっていた。すると、空から落ちてくる奇妙なカプセルを発見。そこから怪獣・ヤメタランスが出現した。ヤメタランスは、自分の意思とは無関係に、人を怠け者にするウイルスをばら撒いてしまう。
「ウルトラ怪獣日和」、今日は何の日?

勝がヤメタランスと出会う

1972年3月10日は『帰ってきたウルトラマン』第48話「地球頂きます!」が放送された日です。パトロール中の郷は、お団子を買って一休みしていた。すると、お寺の境内で怪獣の落書きをしている少年を発見。その少年は、次郎の友人の勝だった。

学校をサボり、自分に文句を言う人をやめさせる「ヤメタランス」の落書きをする勝。郷は勝を学校に送っていこうとするが、勝は勉強しろとうるさい「ママゴン」と同じことを言う郷に反発する。その後、郷は伊吹隊長から連絡を受け、任務に戻っていった。

サボる場所を公園に変更した勝。すると、パラシュートでカプセルが空から落ちてくるのを発見。勝がカプセルを開けると、中にはなんと、自分が描いた落書きにそっくりの怪獣・ヤメタランスが入っていた。何かを訴えるように鳴くヤメタランス。すると、勝はしゃっくりをし、彼の顔に黒い斑点が浮き上がる。一方、郷は「僕をカプセルから出すな」という怪電波をキャッチしたのだった。
カプセルの中に入っていたヤメタランス  ©円谷プロ
再びお寺に戻った勝。しかし、突如勝は気分が変わり、怠けるのをやめて勉強する気が湧いてくる。ヤメタランスは勝を止めようとするが、勝はヤメタランス置いて学校に向かった。その道中、勝は泥棒とすれ違う。すると、泥棒は勝と同じようにしゃっくりをすると、顔に黒い斑点が浮かび上がり、逃走するのをやめてしまった。そこに、泥棒を追って警官が現れるが、今度は警官もやる気を失い、泥棒の逮捕をやめる。

ヤメタランスは、その体から、浴びた人間を無気力にする放射能を発していたのだった。さらに、その症状は人から人に伝染する。ヤメタランスは、地球侵略を目論む宇宙人・ササヒラーが送り込んだものだった。学校に着いた勝だったが、怠け者になる症状はクラスメイトや教師にも伝染し、みんなは勉強する気をなくして帰ってしまう。
次のページへ ヤメタランスを送り込んだササヒラーが出現
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