秘密基地とは、捨てられていたテントや建築資材で作られた、なかなか立派なものだった。アラタが描いたさまざまな絵が飾られている。目立つところには、「すべてを破壊する」という設定のラジガリベリビンバという怪獣の絵があった。そして、アラタはジュンにも「怪獣の絵を描かないか」とクレヨンを差し出して、ジュンの描いた絵の怪獣をガヴァドンと名づける。
翌日、ゲントは珍しく連休を取ることができ、妻のサトコとともにくつろいでいた。これから出かけようとジュンを誘うゲントだったが、ジュンは忙しい父に遠慮する。そこにテレビで、ツチノコのような生物が発見されたというニュースが入る。一瞬見えたギョウザのような生物と、目撃者が描いた生物の絵を見たジュンはアラタの秘密基地に急いだ。
アラタとともに昨日絵を描いたスケッチブックを確認するジュンだったが、スケッチブックの絵はなくなっていた。ジュンが描いたガヴァドンの絵が、実体化してしまったのだ。ジュンたちはガヴァドンを見つけて確保すると、その場に居合わせたアラタの妹であるツムギとともに今後の対策を練る。
巨大なガヴァドンにブレーザーも打つ手なし!
翌日。ジュンが秘密基地に行くと、そこには昨日の数倍に大きくなったガヴァドンが実体化し、眠っていた。秘密基地にどなりこんできたヒゲのおじさんがガヴァドンに驚いて気絶したすきに、ジュンたち3人はガヴァドンを外へと連れ出す。大人から見つからないように、ジュンたちはガヴァドンを隠しながら、さまざまな場所で丸一日楽しく過ごすのだった。日が傾き、遊び疲れたジュンたちはふわふわでやわらかいガヴァドンに寄りかかって休憩していた。すると、アラタが「自分も妹も親の事情でアメリカに行くことが決まっている」と言い出した。その前に、ジュンに秘密基地を見せたかったのだと明かすアラタ。しかしそこにやってきた大人たちが、ガヴァドンを防衛隊に連れていこうとする。ちょうど日が暮れ、ガヴァドンは再び絵に戻るが、ジュンたちは、「大人に負けないような、もっと大きなガヴァドンを作ろう」と、地面に巨大なガヴァドンの絵を描きはじめる。