今回取り上げるのは「1月27日」(2007年)。怪獣を追って、約25年ぶりにウルトラマン80が再び地球に登場。そして中学校の先生でもあった主人公、矢的 猛(やまと たけし)と成長した教え子たちの「その後」の物語が描かれます。ウルトラマン80の「真の最終回」ともいわれるエピソード。
『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの昭和に放送されたウルトラマンシリーズと、物語が直接的につながっているのも特徴だ。前作『ウルトラマンマックス』で行われた人気怪獣の再登場に加えて、歴代ウルトラヒーローも登場。ウルトラヒーローに変身する人物もオリジナルキャストが出演している。
1980年より放送が開始された『ウルトラマン80』は、主人公であるウルトラマン80=矢的 猛が地球防衛軍のUGM隊員であると同時に中学校の教師として勤めており、作品の前半は思春期の少年少女たちの抱える問題と怪獣の出現をリンクさせたストーリーが展開された。
しかし、途中で作品の路線変更がなされ、第12話を最後に中学校の描写はなくなってしまう。長い時を経て、その後が『ウルトラマンメビウス』で描かれることになった。
怪獣を追って地球に来たウルトラマン80
一方、かつてウルトラマン80=矢的 猛の教え子であり「落語」のあだ名で呼ばれていた男性が、校門の外から母校の桜ヶ岡中学校を見ていた。そこに、「スーパー」のあだ名で呼ばれていた男性が通りかかる。桜ヶ岡中学校は少子化により、隣町の学校と統廃合が決まっていたのだ。
校庭に入ってしまったふたりは、ひとりの教師から注意を受ける。実はその男性はふたりの同級生で、かつて不登校になっていたところを矢的先生に救われたことがきっかけで教師になった塚本幸夫だった。
昔話に花を咲かせていた3人。話題はある日突然いなくなってしまった矢的先生の話になる。中学校のころから先生がウルトラマン80ではないかと考えていた塚本はそのことを話すが、まだそんなことを言っているのかと笑われてしまう。そして3人は、学校がなくなる前にクラス会を企画するのだった。