あの日、あの時、胸躍らせて目撃したのは何だったのか? 今回取り上げるのは「1月11日」(1974年)。
友人たちと塀に落書きをする正博少年は、塀の染みが怪獣ににていることに気づく。それをなぞって怪獣の絵を描くと、そこから本物の怪獣が現れてしまった。
落書きをする少年
翌日、正博少年は、友人たちと塀に落書きをしていた。しかし、正博は絵があまり得意でなく、今年(1974年)は寅年ということで虎の絵を描くも、友人たちから「猫だ」とからかわれてしまう。すると、正博は塀にある大きな染みが、怪獣の形をしていることに気づき、チョークでそれをなぞって怪獣の絵を描きはじめた。そこに、パトロールをしていた光太郎と北島隊員が通りかかる。
「怪獣は絵のままのほうが良いな」と雑談する光太郎たち。しかし、そこに塀の持ち主である女性が現れ、正博たちを𠮟る。正博は、女性を「怪獣ママギラス」と言ってからかうと、逃げていったのだった。
正博の向かった先は、病院だった。彼の母親は大病を患っていて、入院している。病室からは、正博が落書きした塀が見えていた。正博は怪獣の絵を見てほしいとせがむが、母親は怪獣よりお花のほうが好きだと言う。そして、「大好きな桜の花も、来年はもう見られないだろう」と漏らす。正博は、母親を元気づけるために花屋にいくが、彼のお小遣いでは花は買えない。そこで、友人たちと協力し、塀に桜並木の絵を描きはじめるのだった。