あの日、あの時、胸躍らせて目撃したのは何だったのか? 今回取り上げるのは「5月7日」(1980年)。
勉強も運動も苦手な大島明男少年は、自分が宇宙人だと思い込んでいた。そこに、本物のUFO(未確認飛行物体)が現れる。明男は、UFOが自分を迎えにきたのだと考えたが……。
自分は宇宙人だと主張する少年
翌日、桜ヶ岡中学校の猛のクラスでは理科のテストが行われ、問題を解き終わった生徒たちは下校をはじめていた。しかし、明男はいつまでたっても答えがわからない。心配になった猛は声をかけるが、明男は突然「僕はどこの星からきたの?」と問い返す。明男は、自分が宇宙人で、地球以外の星からきたというのだ。
明男はUFOを見たと言い、それが自分を迎えにきたのだと主張する。さらに、自分には地球人にはない能力があると訴え、口笛を吹くことで風を吹かせてみせる。だが翌日、猛は授業で、風が吹く前兆の空気の温度差を無意識に感じ取っているだけなのだと説明。明男を諭す。しかし、明男は逆に、自分のことをわかってくれるのはあのUFOだけなのだと考えてしまう。