4児のシングルマザーMALIA. 4回の離婚を経てわかった「幸せになる方法」とは

モデルMALIA.流子育て論#1「シングルマザーで4人の子育て」

モデル・実業家・タレント:MALIA.

ようやく完成し2024年3月に発売した新刊『育児育自論』を手に。4児のママとして奮闘してきたMALIA.さんのこれまでが綴られています。  写真:大門徹
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MALIA.(マリア)さんは15歳のモデルデビュー以来、さまざまな女性誌で活躍。現在は自身が立ち上げた「Anela Holdings(アネラ ホールディングス)」の会長として、ファッションやビューティー、ライフスタイルなど“美”にまつわる多彩なアイテムを提案し、多くの女性の支持を集めています。

プライベートでは10代での結婚・妊娠に始まり、4回の結婚と出産・離婚を経験して、3男1女を育てるパワフルなシングルマザーに。そんなMALIA.さんがこの春、自身の子育て経験とそこからの学びをたっぷり詰め込んだ書籍『育児育自論』(A‐Works刊)を上梓しました。

書籍の内容と重ねながら、“MALIA.流の育児&育自論”について、率直にたっぷりお話しいただきました。

※1回目/全4回

MALIA.(マリア)PROFILE
本名・新保真里有(しんぼ・まりあ)。1983年生まれ。15歳でデビュー以来、多くの女性誌専属モデルを務め、テレビにも多数出演。長男(21)、次男(19)、長女(17)、三男(5)の4児の母。2023年末には長男に子どもが生まれ、1児の祖母にも。2009年に起業し、ブラジリアンワックスサロン他、EC事業など幅広く展開。2022年にドバイへ移住。

母になったから書けた一冊

現在はドバイに拠点を置き、5歳の末っ子ポコちゃんの子育てをしながら実業家、モデル、タレント活動などの仕事をしているMALIA.(マリア)さん。

18歳で結婚、19歳で妊娠してスタートした“ママ”としての奮闘は、20代、30代、そして40代の今でも続いています。彼女が22年間の育児で学び、自身が実践してきたことを一冊にまとめたのが『育児育自論』です。

「長男が19歳、私が出産した年齢になったときに、『母になった人生の折り返しだ』と思って書き始めました。一昨年(2022年)8月16日、長男が20歳の誕生日にSNSで『実は本を書いていて、年内に発売できたらいいなと思っています』と発表したものの、そこから1年半以上かかってしまいました(笑)。

私のことをずっと見てくれているファンの方々は『やっと出た!』という気持ちだったと思うし、私も『やっと書き上がった!』という気持ち。皆さんからの声でとくに嬉しかったのは、普段は本を読まない人が読んでくれて、『読みやすかった』と言ってくれたこと。

また私を知ってくれている人には『MALIA.ちゃんがしゃべっているみたいでした!』と言ってもらえて、年数がかかっても頑張って自分で書いてきてよかったなと思いました」

母なる素顔「新保真里有」として

仕事ではMALIA.という名前で活動していますが、今回は本名である「新保真里有(しんぼ・まりあ)」で出版しています。これには何か理由があったのか聞いてみると……?

「自分としては、MALIA.としてモデルやタレントで活動している“表の私”ではなく、家では一人の人間として子育てに向き合っている新保家のママなので『新保真里有』にするのが自然だったというか……。

こういった取材では『なぜ今回、本名で?』と聞かれたりもするのですが、ファンの方や子どもたちにはあまり驚かれなかったですね」

著書の目次を見てみると、「自立心を養うこどもとの距離。」、「知っておきたいお金のリアル。」、「お家で教える性教育。」など、子育て中に親が直面するとても身近な問題やお悩みがトピックスとして取り上げられていて、興味をそそられます。

「私が妊娠・出産した当時は周りにママになっている人がいませんでしたし、今のように出産や子育てに関する情報が手軽に探せる時代でもなかったから、子育てで疑問や悩みを持つ場面がたくさんありました。

そういったことに常に正面から向き合ってきて、たどり着いたのが“人生で大切にしなければならない16のこと”。これを軸に、今回の本をまとめました」

私が初めて自分を振り返った

MALIA.さんの約22年という子育ての間には、4回の結婚と離婚を含め、さまざまな出来事が起こります。原稿をまとめるにあたって、これまでの人生を振り返る作業は、MALIA.さんにとっても貴重な時間になったそうです。

「私はもともと、右も左も見ずにまっすぐ進む“突き進む系女子”(笑)。これまで立ち止まることも振り返ることもほとんどせず、今年(2024)41歳になりました。いろいろなことが起こりすぎて、振り返りたくない自分もいたのかもしれません。

振り返って『あのとき、ああだったね』と言ってもそのときには戻れないし、『立ち止まってなんていられない!』という状況もあったと思います。取材などで『過去に戻れるなら、いつがいい?』という質問をされることがあるけれど、私は断然“今”がよくて、過去にも未来にも行きたくないという考え。

そんな私だから、これまでは振りむくことも立ち止まることもありませんでした。『育児育自論』はそんな私に立ち止まり、人生を振り返るきっかけを与えてくれて、私にとっても宝物になりました」

「若く、まだ分かっていないことが多い状態で結婚したから、子育てを通じて知ったことのほうが多かった。子どもたちにたくさん教えてもらいました」と語るMALIA.さん。  写真:大門徹

家族は最高のチーム! 子どもたちが頑張ってくれた

「シングルマザーとして4人の子どもを育てる」と聞くと、どうしても「親1人で大変そう」「ママとして相当頑張ったんだろうな」とハードな姿を想像しがちですが、MALIA.さんは「自分が頑張ったというよりも……」と言葉を続けました。

「『子どもたちが頑張ってくれたな』という想いが強いです。常に自分の軸で生きている私を子どもたちはそばで見て、近くで支えてくれていましたから、本当に感謝しかありません。本でも書いていますが、『家族は最高のチーム!』だから、みんなで支え合ってやってこられたという感じです」

〈かつては4人、今は5人となったわたし達家族は、わたし達にしかわからない特別な想いのようなものがあります。これがチームということなのだと思います。(中略)わたし達家族はチームです。世界のどこにいてもこの事実は変わりません。心を守ってもらえる場所、帰りたくなる場所、みんなの心の拠り所となる場所であり続けたい、私は自分に誓っています。〉──『育児育自論』より

自分以外に、頼れる人がいないかも……と考え始めると孤独を感じがちなシングル親の「孤育て(孤独な子育て)」。また子どもたちにとっても「どうしてウチにはパパがいないの?」など、片親の不在が寂しさにつながることもあります。MALIA.さん家族はどうだったのか聞いてみました。

「私の場合は、とにかく忙しすぎて……(笑)。毎日、やらなければいけないことにずっと追われていたから、寂しさを感じる時間はなかったような気がします。長い期間、母1人子ども3人という環境だったのもあるかもしれません。

家に人間が4人もいればそれはもうにぎやかで、手持ち無沙汰な時間なんてない! 人は時間があると悪いことを考えてしまいがちだけど、私にはそんなすき間もありませんでした。ときには気持ちが落ちる瞬間もあったと思うけれど、たぶん、そのまま寝落ちしたりしていたんでしょうね」

笑いながら「本当に時間がなかったの!」と話すMALIA.さん。その明るい表情からは、賑やかな家庭の雰囲気が垣間見えます。

「子どもたちが寂しがったりすることも、あまりなかったように思います。私は本当に周りに恵まれていて、お友達が新保家をたくさんサポートしてくれたんです。

長男がサッカーの試合やセレクション(選抜テスト)を受けに行くとなれば、何人も集まって応援に駆けつけてくれました。次男の友達は私とも仲がよくて、『真里有さん、今度いつ日本に帰ってきますか?』『家にごはんを食べにいってもいいですか?』と連絡をくれます。

子どもたちが小学生や中学生のときからのお付き合いは親子を含めてたくさん続いていて、本当に“みんなで育てた”という感覚。

私、結婚を4回し、結果4回ともお別れする結論に至ったけれど、友達と子育てと会社は続くんですよ(笑)。私の周りにいる人たちは、みんな優しいの。私は彼らに自己肯定感を高めてもらっているのかもしれません」

2022年に家族で東京ディズニーランドへ行ったときの一枚。長男(真ん中)、次男(左)は別の場所で暮らしていますが、常にお互いを想い合っています。  写真提供:Anela Holdings

自分のことを幸せにできるのは自分しかいない!

10代で出産した長男は今、プロサッカー選手、20代で出産した次男は大学生、長女は高校生。そして30代で出産した5歳の末っ子。シングルマザーとして4人の子育てと同時に、仕事も奮闘してきたMALIA.さんから、子育て世代に今、伝えたいメッセージは?

「私自身は一人っ子だったし、パパもママも私にとても甘かったので、ずっと『誰かに幸せにしてもらえる』と思い込んでいました。『プリンセスは王子様と結婚して、幸せになりました』という童話のイメージでいたから、実際に結婚してみたら『話が違うぞ……?』ということが起きてしまった(笑)。

でも結局、自分のことを幸せにできるのは自分なんですよね。私はそう分かるまでに、すごく時間がかかってしまいました。だから、最初からそれを分かっていて結婚し、ずっと添い遂げられている人がうらやましいし憧れます。

誰かが幸せにしてくれるのを待つのではなく、私自身も努力して、自分を幸せにしなくてはいけない。そう覚悟を決めることが、幸せへの近道にもなると私は思います」

毎日の子育ての中では、どうにも落ち込んでしまう日もあるもの。MALIA.さんにそんなときのヒントを教わりました。

「私はもともと小さなことにも幸せを感じられる性格で、今では特技だと思っています。さっきの話もそうだけど、日々の小さな幸せを、自分で見つけて感じることが大事! 

皆さんも『今日は天気がよくて嬉しいな』『雨が降っているのに、頭痛が起きなくてラッキー』など小さな喜びを自分で見つけられると、ポジティブに一日を過ごせるんじゃないかな。トレーニングを重ねて身体を鍛えるように、心も鍛えることはできるから、ぜひ“小さな幸せ探し”を心がけてもらえたらと思います」

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次回はMALIA.さんが子どもへ伝えた“お金”と“性”の教育について伺います。

撮影/大門徹、取材・文/木下千寿

MALIA.さんが4人の子育てを通して学んだ“人生で大切にしなければならない16のこと”を記した『こどもも自分も一緒に幸せになる 育児育自論』(A‐Works刊)。子育てや生き方のヒントがぎっしり詰まっている。

※MALIA.さんインタビューは全4回です(公開日までリンク無効)。
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マリア

MALIA.

モデル・実業家・タレント

新保真里有(しんぼ・まりあ)。1983年生まれ。実業家・モデル・タレント。4児の母。孫が1人。 MALIA.(マリア)として15歳でデビュー。以来、多くの女性誌専属モデルを務め、ファッションイベント等にも出演。その後、テレビ番組にも多数出演するなど人気を博す。 実業家としては、2009年に「Anela Inc.」を立ち上げ、ブラジリアンワックスサロン“Moalani(モアラニ)”他、多数のアパレルブランドディレクターを務め、ビューティーブランド“Anela Beauty”を手がけるなど、ANELAONLINEとしてEC事業を幅広く展開。 2022年に三男の進学を考えてアラブ首長国連邦の都市ドバイへ移住。2023年には「Anela Holdings」へと会社をホールディングス化し、ドバイにも会社を設立。 2024年3月、新保真里有として『こどもも自分も一緒に幸せになる 育児育自論』(A‐Works刊)を発売。躍進し続けている。 ・【公式】Instagram @maliarehman ・WebStore「ANELAONLINE」 ・ブラジリアンワックスサロン「Moalani」

新保真里有(しんぼ・まりあ)。1983年生まれ。実業家・モデル・タレント。4児の母。孫が1人。 MALIA.(マリア)として15歳でデビュー。以来、多くの女性誌専属モデルを務め、ファッションイベント等にも出演。その後、テレビ番組にも多数出演するなど人気を博す。 実業家としては、2009年に「Anela Inc.」を立ち上げ、ブラジリアンワックスサロン“Moalani(モアラニ)”他、多数のアパレルブランドディレクターを務め、ビューティーブランド“Anela Beauty”を手がけるなど、ANELAONLINEとしてEC事業を幅広く展開。 2022年に三男の進学を考えてアラブ首長国連邦の都市ドバイへ移住。2023年には「Anela Holdings」へと会社をホールディングス化し、ドバイにも会社を設立。 2024年3月、新保真里有として『こどもも自分も一緒に幸せになる 育児育自論』(A‐Works刊)を発売。躍進し続けている。 ・【公式】Instagram @maliarehman ・WebStore「ANELAONLINE」 ・ブラジリアンワックスサロン「Moalani」

きのした ちず

木下 千寿

ライター

福岡県出身。大学卒業後、情報誌の編集アシスタントを経てフリーとなる。各種インタビューを中心に、ドラマや映画、舞台などのエンターテイメント、ライフスタイルをテーマに広く執筆。趣味は舞台鑑賞。

福岡県出身。大学卒業後、情報誌の編集アシスタントを経てフリーとなる。各種インタビューを中心に、ドラマや映画、舞台などのエンターテイメント、ライフスタイルをテーマに広く執筆。趣味は舞台鑑賞。