りんごの花がさいていた

作:森山 京   絵:篠崎 三朗  

発売日 2014/04/18
価格 定価:1,210円(本体1,100円)
ISBN-13 9784061981980
判型 A5
ページ数 80ページ

「さあ、かあさん、ふたりで いこう」
あるきながら サブロは、せなかの いすに こえを かけました。
サブロには、じぶんの せおっているのが、いすではなく、かあさんのように おもえるのでした。
「さあ、かあさん、ふたりでいこう。」
サブロは、せなかのいすに、こえをかけました。
いすに すわって いた かあさんは、もう いません。
でも、かあさんは、サブロの かえりを いつもこの いすに すわって、まっていて くれました。サブロが ちかづくと、りょううでを おおきく ひろげ、しっかり だきしめて くれました。
「おかえり、サブロ、おかえり」
サブロの せなかを なんども さすっていいました。
だいすきな かあさんでした。

やさしくて、生きるのが少し不器用な青年が、形見のいすとともに世の中を旅し、自分の居場所を見つけるお話。

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