雪うさぎさんが静かに目をとじると、キラキラとした日差しが、キビタンたちの上にふりそそぎます。そよいでいた風がふっとほほえんだようにあたたかくなり、やさしい春の風となって、2人を包みました。
「また来年、会おうね」
そう言うと雪うさぎさんは、春の風といっしょに、空へすーっととけていったのです。
「うん! また来年!」
キビタンが空に向かって力強く言いました。山はやわらかい春の気配に満ちていました。
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一年に一度しか会えないのは毎年同じ。だけど今年は、心にせつなくさみしい気持ちと、新しい決意が残りました。
キビタンは、その日のうちに街へもどりました。そして、出会ったみんなに吾妻小富士で起きたことを話したのです。
「今年は雪が少なかったから、雪うさぎさんの元気がなかったんだ。このままじゃ、雪うさぎさんがいなくなってしまうかもしれないんだ」
雪うさぎさんがいなくなるかもしれない。キビタンの話に、街のみんなは驚きました。その中には、同じ福島の仲間、赤べこや土湯こけしもいます。
「小さな変化でも、気づくことが大事だと思うんだ」
広場で、おおぜいのみんなの前に立って話すキビタン。キビタンは花や虫など、いつもより早く春が訪れている山のこと、雪だるまを一度も作れなかった冬のことを、一生けんめい伝えました。はじめはざわざわしていた人たちも、だんだん耳をかたむけるようになりました。
「みんなで『雪うさぎさんを守る作戦』を始めたいんです!」
「雪うさぎさんを守る作戦」。それはキビタンが考えた、次の3つの約束です。
・電気をつけっぱなしにしない
・歯みがきするときは水を止める
・ゴミをしっかり分別する


































