この吾妻小富士には、春になるとうさぎの形をした雪形(ゆきがた)が現れます。雪形とは、雪解けの時期、山に残った雪や山肌が動物や人、文字の形のように見えるもの。
吾妻小富士の雪形は「吾妻の雪うさぎ」、また野菜の種まきをする目安にもなっていたことから、別名「種まきうさぎ」とも呼ばれています。
広い空、ゆたかな大地、そして季節ごとに姿を変える自然──それが福島県の宝物。
そんな福島のご当地キャラが「キビタン」です。
キビタンは、県の鳥、キビタキがモデル。福島県の自然をめぐって旅行をするのが大好きです。
雪がとけはじめ、少しずつ春のにおいを感じるころ。キビタンは、福島市にある吾妻小富士へと向かいます。この山には、春先になると会える、とくべつな友だちがいるのです。
ホー、ホケッ……。
ウグイスさんが鳴く練習をしています。
「ウグイスさん、こんにちは!」
キビタンが、木の上のウグイスさんにあいさつをしました。
「こんにちは。キビタン、今年も行くんだね」
ウグイスさんの問いかけに、キビタンはうなずきました。
「もちろん。友だちの雪うさぎさんとは、この季節にしか会えないからね」
「そっかぁ。雪うさぎさん、きっとよろこぶね」
キビタンの“とくべつな友だち”とは、雪形に宿る妖精、「雪うさぎさん」です。冬のあいだは大きな雪のかたまり。それが春の陽ざしで少しずつとけると白い雪のうさぎになる、不思議な妖精です。
キビタンは毎年、春のはじめに妖精の雪うさぎさんにあいさつに行きます。

































