ご当地キャラが大さわぎ! 東北はっけん☆ミステリー【福島編 第1回】

「キビタンと福島の雪うさぎ」五十嵐美怜(いがらしみさと) (4/4) 1ページ目に戻る

作家:五十嵐 美怜

「きれいな花が見られるのはうれしいけど……」

いつもより早く咲いたら、そのぶんいつもより早く枯れてしまいます。花が咲いていられる期間は、だいたい決まっているのです。気になったキビタンは、地面におりてみることにしました。

「あれ?」

キビタンの足もとでは、もぞもぞと虫たちが動き回っていました。虫も出てくるのがいつもよりだいぶ早いみたいです。

「あ! カナヘビくんがひなたぼっこしてる」

木の根っこのところに、カナヘビくんがいました。どうやら、冬眠から目覚めたばかりのようです。

「こんにちは、カナヘビくん。今年は起きるのがずいぶん早いね」

「やあキビタン。うん、あたたかいからいつもより早めに起きちゃったんだよね」

片目をあけたカナヘビくんは、ふわーっと大きなあくびをして、残念そうに言いました。どうやらまだ寝ていたかったようで、そのまま目を閉じていびきをかき始めます。

(夏が暑いから、そのまま冬もあたたかくなったのかな……最近、夏がどんどん暑くなっていくみたいだ)

キビタンは、去年の暑すぎる夏のことを思い出しました。危険な暑さが続き、毎日のように「熱中症に気をつけましょう!」「水分補給を忘れずに!」と呼びかけられていました。

暑さの目安に、「夏日」「真夏日」「猛暑日」「酷暑日」という言葉があります。一日の最高気温が25度以上の日を夏日、30度以上の日を真夏日、35度以上の日を猛暑日、そして40度以上の日を「酷暑日」と呼びます。福島では、35度以上の猛暑日が年々増えているのです。

暑い夏と、早い春。キビタンの足元に、ぽろりとモクレンの花びらが1枚、落ちてきました。

「花はきれいだし、カナヘビくんともあいさつできて、うれしいけれど……」

山の様子が、いつもとちがう。キビタンは、不思議に思いながら山の上へと飛んでいきました。

雪うさぎさんは、今年も待っていてくれるだろうか——。第2回は5月28日公開!

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五十嵐 美怜
いがらし みさと

五十嵐 美怜

作家

福島県出身、在住。『15歳の昆虫図鑑』で第64回講談社児童文学新人賞佳作、第1回未来屋アオハル文学賞を受賞。 東北児童文芸サークル「みちのわ」メンバー。主な作品に「恋する図書室」シリーズ、「ハイキュー‼︎ まんがノベライズ」(集英社みらい文庫)、「きみがキセキをくれたから」シリーズ(講談社青い鳥文庫)などがある。

福島県出身、在住。『15歳の昆虫図鑑』で第64回講談社児童文学新人賞佳作、第1回未来屋アオハル文学賞を受賞。 東北児童文芸サークル「みちのわ」メンバー。主な作品に「恋する図書室」シリーズ、「ハイキュー‼︎ まんがノベライズ」(集英社みらい文庫)、「きみがキセキをくれたから」シリーズ(講談社青い鳥文庫)などがある。