【くるりんちゃん】カリンちゃんと夫婦。「遠野物語」にも登場するカッパがモチーフ。遠野市内を「くるりん」と回って観光を楽しむことが大好き。
ご当地キャラと行く東北ミステリー、岩手編ついに完結!
かわいいご当地キャラとめぐる東北ミステリー連載、岩手編もいよいよクライマックス。
愛する妻が行方不明になったカッパのカリンちゃん。きよひらくんは何かに気づいたようです。
笑って、ドキドキして、物語は胸があったかくなる結末へ。
ご当地キャラ×東北ミステリー【岩手編】、最後までぜひ見届けよう!
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体・地域・出来事とは関係ありません。
【岩手】SL銀河ミステリートレイン 第3回
【前回までのあらすじ】
くるりんちゃんが姿を消し、「カッパ淵でキュウリ、け! 4月12日」と書かれた謎の手紙が残された。
きよひらくんたちは遠野へ向かい、手がかりを追う中で、赤い花びらや“4月12日”に秘められた意味に気づきはじめる。
はたしてこれは本当にゆうかい事件なのか──?
きよひらくんたちがイカイもんと会っているころ、カリンちゃんはカッパ淵のそばまでやってきました。昔から変わらない緑の森を通り抜けると、さらさらと小川が流れています。
(この先がカッパ淵だ……くるりんちゃん!)
やっとカッパ淵に着くと、木と木の間からこぼれる光が、水面でキラキラ光っています。そばには釣りをしている男の人がいました。首には手ぬぐいを巻いて、腰にキュウリの入ったカゴをぶらさげています。いつもカッパ淵にいる、仲良しのおじいさんです。
「おや、カリンちゃんでねべか。最近、ずいぶん忙しそうだけど、元気か~?」
おじいさんは手ぬぐいで汗をふき、ニカっと笑いました。
「おじいさん、こんにちは……」
「なんだー? 元気ねえな? ほれ、これでもけ!」
カリンちゃんがあいさつすると、おじいさんは腰のカゴからキュウリを取り出しました。「け」は「食べろ」という意味で、あの謎の手紙「カッパ淵でキュウリ、け!」のとおりです。カリンちゃんは驚きつつも、キュウリを受け取りました。
「キュウリ……」
「なんだべ。元気ねえな。くるりんちゃんとケンカでもしたが?」
カリンちゃんは、差し出されたキュウリをおそるおそる、ひとくちかじりました。キュウリはみずみずしくておいしくて、(くるりんちゃんにも食べさせてあげたい)、そんな気持ちがあふれてきます。
(そういえば……)
カリンちゃんは、くるりんちゃんと初めて会ったときのことを思い出しました。2人の出会いは、実はこのカッパ淵。愛くるしいくるりんちゃんに、カリンちゃんは一目で恋に落ちたのです。
(めっちゃかわいい! 友だちになりたい!……そう思って、ドキドキしながら「キュ、キュウリにつけるのは、みそとマヨネーズ、どっちが好きですか?」って声をかけたんだ。くるりんちゃん、笑って「どっちも好きです。そのまま食べるのも好きです」って答えてくれたっけ)
くるりんちゃんとの思い出がよみがえり、鼻の奥がツンとしました。
「どうした~? 泣くほどうまいか、そのキュウリ」
「おじいさん。実は、大変なことが起こって……」
くるりんちゃんがゆうかいされた話をすると、おじいさんが「ひえーっ! ゆ、ゆうかい? まさか!」と驚きました。
「そのまさかなんです。SL銀河で寝ている間にいなくなってしまって」
それから、謎の手紙のこと、犯人からの手紙の指示でここまで来たこと、赤いバラの花びらが貼ってあったこと、そして最後に日付が書いてあったことを話しました。話しているうちに、カリンちゃんとの思い出がどんどんよみがえってきて……。
「……ああ! 思い出した~!」



































