先着100名の『NO.6』質疑応答タイムを現地レポ! あさのあつこ「続編を書かずに死ねないと思った」

『NO.6[ナンバーシックス]再会#1』発売記念ミニトークショー

児童図書編集チーム

あさのあつこさんが「書けない」と思う人に伝えたいこと

くまざわ書店四条烏丸店に飾られた『NO.6』のパネル。
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5つ目は「物語の展開について悩まれたとき、どのようにアイデアを得ていらっしゃいますか」という質問。

あさの「厳しいいい方になってしまいますが、もしお若い方で、これから書き手になろうっていう方がいらっしゃるなら『書けない』という人は書き手になるのは難しいとお伝えしたいです。

私も、1日中座っていて原稿用紙半分しか書けないとか、書いたものを消さなくちゃいけないとかいうことは、いっぱいありますが、少しずつでも手を動かすようにしています。

私が『書けない』ということ自体が、おこがましいんじゃないかという気がしてしまうんです。

書けないときも、ともかく書く。1行でも、1文字でもいいんです。あとで読み返して、泣きたくなるくらいひどい表現をしたとしても、書かずに書けないといっているより、100倍もいいんです。

あとは、書くこととは別の世界を持つことも大事ですね。

会社に行って仕事したり、家族のために晩御飯をつくったり、そういった日常をはさみ込むことが、書き続けるためには必要だと感じています」

6つ目は「ネズミは紫苑の母である火藍に対して、リスペクトがあるように見受けられますが、あさのさんはふたりの関係にどのような思いがありますか」という質問。

あさの「火藍はパン屋さんを営みながら、日常を守り、日々ちゃんと生きています。

そういうことって、あまり人から評価されることは少ないのですが、ネズミはそれがどれだけすごいことかを知っている。

だから火藍を『偉大なる母』と表現しているんです。

私は女性だし、息子を育てたこともあるので、火藍の気持ちには共感することが多いですね。

あまり話せませんが#2では火藍とネズミが対峙するシーンが登場するので、楽しみにしていてください」

ファンからの質問に対し、終始明るく誠実にこたえてくださったあさのあつこさん。

あっという間に、ミニトークショーは終盤に。最後にあさのさんから、場した方々へのメッセージが述べられました。

あさの「10年間という長い時間を、待ち続けていてくださったこと、本当に感謝しかありません。

『NO.6』は、みなさんがいてくださったことで描けた世界だと思っていますし、これからも書き続けていけると考えています。

本当にありがとうございました!」

温かい拍手が会場を包みこみ、ミニトークショーが終了しました。

『NO.6』についてのディープな質問や、早くもあさのさんの口から「#2」の内容が少し語られるなど、ファンにはたまらない充実したイベントとなりました。

『NO.6[ナンバーシックス]再会#1』は絶賛発売中!

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児童図書編集チーム

講談社 児童図書編集チームです。 子ども向けの絵本、童話から書籍まで、幅広い年齢層、多岐にわたる内容で、「おもしろくてタメになる」書籍を刊行中! Twitter :@Kodansha_jidou YA! EntertainmentのTwitter :@KODANSHA_YA_PR

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