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1話5分で読めて、楽しく47都道府県が学べる新感覚のミステリー短編集『日本一周ナゾトキ珍道中』(粟生こずえ・著)が好評発売中! この記事では書籍のなかから、青森県が舞台のお話をご紹介。ねぶた祭りで出会った少年は、留学生の女の子のことが好きなようですが……。


勇ましい顔の男がグワッと手を開いたポーズの人形の姿が近づいてくる。山車(だし)の上の巨大な人形は、正確にいうと灯りがともる「灯籠(とうろう)」で、暗い夜空によく映える。
キリさん
「これは弁慶(べんけい)と牛若丸(うしわかまる)かな? ねぶた祭りって初めて見たけどすごい迫力だな!」
キリさんは興奮ぎみに前に乗り出した。
キリさんたちが訪れているのは、青森ねぶた祭り。国内はもちろん海外からもたくさんの観光客が訪れる、東北の夏の風物詩である。
大きな山車の後には、太鼓と笛のリズミカルなおはやし隊が続く。そして、さらに色鮮やかな花笠をかぶった人たちがピョンピョンはねながらついてくる。
マッキー
「あのピョンピョンはねてるのは『ハネト』っていう踊り手なんだって。」
スマホを見ながらマッキーが大きい声で言うと、そばを通過した女子高生らしいハネトがにっこりと笑いかけてきた。
女の子
「ラッセラー、ラッセラー。ごいっしょにかけ声をどうぞ!」
マッキーは満面の笑みで「ラッセラー、ラッセラー。」とさけんだ。そのまま彼女についていきそうなマッキーのシャツを、キリさんは引っぱった。というか、キリさんはそのとき、フラフラとハネトの群れからはなれてきた少年が気になったのだ。