キリさん
「どうしたの? 具合でも悪くなった?」
少年は声をかけられて顔を上げた。
少年
「いえ。そういうわけじゃ……。」
少年は目元をぬぐう。それから、自分がいたハネトの隊列をながめながら言った。
少年
「ただ、ちょっとこういう気分じゃなくなっちゃって。」
キリさんは少年の肩をポンとたたいた。
キリさん
「よかったら、わけを聞かせてよ。力になれるかもしれない。仲間に遅れないように歩きながら話そうか。」
聖司
「ぼく、工藤聖司(くどう・せいじ)です。中学2年生です。こんなこと相談できる人がいなかったからうれしいです。」
聖司くんは、キリさんに名刺をもらって驚きながらも安心したように話し始めた。
聖司
「ちょっとショックなことがあって。」
マッキー
「ははーん、ズバリ恋の悩みだな!?」
マッキーが言うと、聖司くんの顔が真っ赤になる。
マッキー
「え、マジで当たりだった?」
オロオロするマッキーをキリさんがつつく。