クリスマスの鐘を鳴らすのは誰…?
最後にご紹介するのは、『ゆめのゆき』(作:エリック・カール、訳:あおきひさこ)。『はらぺこあおむし』でおなじみ、エリック・カールさんの遊び心にあふれた絵本です。
主人公は、小さな農場に暮らすおじいさん。ある晩、おじいさんは雪が降る夢を見ました。キラキラ光る雪は、おじいさんや農場の動物たちを毛布のようにやさしく包み込みます。やがておじいさんが目を覚ますと、本当に雪が降っていて――。
さて、このおじいさんの正体は、一体誰なのでしょうか?
色鮮やかなコラージュで描かれたエリック・カールさんらしい世界観はもちろんすてきですが、見どころは奇想天外な仕掛け。
実は、絵本の表紙自体はただおじいさんが歩いているだけなのですが、雪を描いた透明な表紙カバーをつけると、雪の降る中を歩いているように見えます。
中面にも雪の毛布を描いた透明フィルムが挟んであって、そのページをめくると、毛布の下からおじいさんや動物たちが現れます。透明なページって、めずらしいですよね。『ここには誰が隠れているのかな?』などと、お子さんと楽しくやり取りしながら読むことができます。
そして、ラストのページ。スイッチを押すと美しい音色が響くという、とっておきの仕掛けが……。大型サイズでアート性も高く、目に留まる場所に飾っておきたくなる絵本です。ストーリーはシンプルなので、小さなお子さんへのプレゼントにもおすすめですよ。
取材・文/星野早百合
星野 早百合
編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。
編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。
井上 まどか
絵本カフェ「ムッチーズカフェ」店長。絵本専門士、保育士、幼稚園教諭一種、認定心理士の資格を保有。都内の公立保育園に9年間勤務した後、“夢と魔法の王国”での自称・お姉さんを経て、2016年、大人のための絵本カフェ「ムッチーズカフェ」をオープン。 2020年11月には、東京・西荻窪にリニューアルオープンを果たす。絵本コラムを多数執筆し、雑誌『たのしい幼稚園』(講談社)では、おすすめの絵本を紹介する連載『たのしい絵本館』を担当。2021年度より、「認定絵本士養成講座」(国立青少年教育振興機構)の講師も務める。 ムッチーズカフェ 公式サイト https://mucchis-cafe.jimdofree.com/ ムッチーズカフェ Twitter https://twitter.com/mucchiscafe
絵本カフェ「ムッチーズカフェ」店長。絵本専門士、保育士、幼稚園教諭一種、認定心理士の資格を保有。都内の公立保育園に9年間勤務した後、“夢と魔法の王国”での自称・お姉さんを経て、2016年、大人のための絵本カフェ「ムッチーズカフェ」をオープン。 2020年11月には、東京・西荻窪にリニューアルオープンを果たす。絵本コラムを多数執筆し、雑誌『たのしい幼稚園』(講談社)では、おすすめの絵本を紹介する連載『たのしい絵本館』を担当。2021年度より、「認定絵本士養成講座」(国立青少年教育振興機構)の講師も務める。 ムッチーズカフェ 公式サイト https://mucchis-cafe.jimdofree.com/ ムッチーズカフェ Twitter https://twitter.com/mucchiscafe