【9~10歳】コミュニケーションがますます大切になる「小学校中学年」にピッタリな絵本 国立小・元司書教諭が厳選

【絵本でことばを育んだり心を耕したりすることで、国語力の素地を養う#6】親子で一緒に楽しむことから始まる読書習慣

【9~10歳】小学校中学年の子どもたちにおすすめの絵本はこちら

『かいじゅうたちのいるところ』
出版社:冨山房 
作:モーリス・センダック 訳:じんぐうてるお

ある夜、少年マックスは、オオカミのぬいぐるみを着て大暴れ。夕飯抜きで、寝室に放り込まれてしまいます。すると、部屋中に木が生えてきたり、波が押し寄せてきたり……。そしてたどり着いたのは、かいじゅうたちのいるところでした。予測不可能な冒険の旅で、成長する少年の姿を描いた一冊。

『わすれられないおくりもの』
出版社:評論社 
作・絵:スーザン・バーレイ 訳:小川仁央

賢くて、いつもみんなから頼りにされているアナグマ。だけど、年老いたアナグマは、自分が死ぬのがそう遠くはないことを知っていたのです。アナグマは死ぬのを恐れてはいません。そして、みんなへ手紙を書き残したその夜、アナグマは不思議な、そして素晴らしい夢を見たのでした……。生きるとは何かを教えてくれる一冊です。

『いのちのおはなし』
出版社:講談社 
作:日野原重明 絵:村上康成

4年2組の教室の扉を静かに開いて、入ってきたのは、みんなのおじいちゃんくらいの年齢の先生。「みなさん、こんにちは」「いのちはどこにあると思いますか?」と先生は、みんなに問いかけます。医師である先生は、聴診器でみんなの心臓の音を聞いてみましょうと言いました。95歳(当時)現役の医師が、10歳の子どもたちに送る「いのちの授業」です。

日に日に大きくなっていく子どもたちですが、たまには、一緒に読み聞かせを楽しんでほしいと思います。

集中力や理解力も進み、悩みや心配事も出てくる時期です。そんなときこそ、絵本を親子のコミュニケーションのために、ぜひ活用してください。

話しにくい内容も、絵本を活用することで、上手に伝えることができますよ。なにより、親子一緒に絵本を読む時間が、心を穏やかにしてくれるでしょう。

取材・文・構成/えのとまり

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さいとう かずたか

齊藤 和貴

Kazutaka Saito
教育学者

京都女子大学発達教育学部教育学科准教授。東京都公立小学校および東京学芸大附属小金井小学校にて28年間、教育活動や授業実践に取り組んできた経験を持つ。司書教諭の経験を生かし、「絵本を活用した授業づくり」にも精力的に従事。著書に『豊かな心と思考力を育む 絵本で広がる小学校の授業づくり』(小学館)などがある。

京都女子大学発達教育学部教育学科准教授。東京都公立小学校および東京学芸大附属小金井小学校にて28年間、教育活動や授業実践に取り組んできた経験を持つ。司書教諭の経験を生かし、「絵本を活用した授業づくり」にも精力的に従事。著書に『豊かな心と思考力を育む 絵本で広がる小学校の授業づくり』(小学館)などがある。