【7~8歳】好奇心が広がる・好きなことに集中する「小学校低学年」にピッタリな絵本 国立小・元司書教諭が厳選
【絵本でことばを育んだり心を耕したりすることで、国語力の素地を養う#5】親子で一緒に楽しむことから始まる読書習慣
2024.10.11
書店や図書館には多種多様な絵本が並びます。絵本を選ぶ際は、子どもの発達段階に合わせ、興味・関心のあるものを選ぶことが大切です。
まずは、親が手に取り、1ページめくってみて、子ども自身が、「これ、読みたい!」と思える絵本を選びましょう。
そこで今回は、7~8歳の子どもたちに向けた絵本と、その選び方を紹介します。好奇心が広がる・好きなことに集中する「小学校低学年」にピッタリな絵本を京都女子大学准教授の齊藤先生に教えてもらいました。
◆齊藤和貴(さいとうかずたか)
京都女子大学発達教育学部教育学科准教授。東京都公立小学校および東京学芸大附属小金井小学校にて28年間、教育活動や授業実践に取り組んできた経験を持つ。司書教諭の経験を生かし、「絵本を活用した授業づくり」にも精力的に従事。著書に『豊かな心と思考力を育む 絵本で広がる小学校の授業づくり』(小学館)などがある。
※5回目/全7回(#1を読む、#2を読む、#3を読む、#4を読む、#6を読む、#7を読む)(公開日までリンク無効)
好奇心が広がる・好きなことに集中する「小学校低学年」の絵本選びのポイント
小学校に入学すると、ほどなくして、ひらがなの読み書きを習いはじめます。実は小学校1年生では、実にたくさんの文字を習います。
「ひらがなにカタカナ、漢字も80字あります。2年生の漢字が160字、小学校で一番多い3・4年生でも200字ですから、ひけをとりません。
吸収スピードが速い子どもたちですから、この時期は、一人で音読ができるようになったり、自分で本を読みはじめたりする子どももいるでしょう」(齊藤先生)
「だからといって、すぐに大人と同じように、文章をすらすらと読めるようになるわけではありませんし、本を読むのが苦手と感じている子どもがいることも事実です。『小学生になったんだから、本は自分で読みなさい』なんて言わないでください。
発達には個人差がありますし、興味や関心のありようも子どもによって実にさまざまです。
周りの大人が焦ってしまっては、当の子どもは自己肯定感を下げるばかりです。あわてずに、親子で読み聞かせをする時間を大切にしてほしいです。
子どものほうが『自分で読みたい』と言い出すのを、じっくり待ってあげてください。そして、『自分で読みたい』と言っても、一日1冊の読み聞かせの時間は続けてほしいと思います。
小学校低学年の教科書では、5音や7音が多用されています。俳句や短歌に裏打ちされるように、日本語は、5音や7音が繰り返されると、リズミカルで心地よく聞こえるからです。
小学校低学年までは、まだ文字の情報よりも、耳からたくさんの情報を得る時期ですので、リズミカルな文体の絵本がおすすめです。
また、低学年のおおらかさに合わせて、奇想天外なお話やユーモアのあるお話もいいですね。親子で一緒に笑ってください。
昔話も大事にしたいジャンルです。また、昆虫や動物などに興味を持ち始める子どもも見られます。ですから、生き物の生態や特徴を教えてくれる写真絵本もおすすめです」(齊藤先生)