発達障害の特性のある子どもを持つ親や家族への支援【精神的負担】編 〔言語聴覚士/社会福祉士〕が解説

#13 発達障害の特性のある子の母親の精神的負担への支援〔言語聴覚士/社会福祉士:原哲也先生の解説〕

言語聴覚士・社会福祉士:原 哲也

写真:yamasan/イメージマート(イメージ写真)

発達障害や発達特性のあるお子さんと保護者の方の関わりについて、言語聴覚士・社会福祉士であり、一般社団法人WAKUWAKU PROJECT JAPAN代表として、発達障害のお子さんの療育とご家族の支援に長く携わってきた原哲也先生が解説します。

記事の最後には、原哲也先生へのご相談募集のお知らせもあります。最後までご覧ください。

【発達障害・発達特性のある子のお悩みに専門家が回答】これまでの回を読む

「発達障害の特性のある子を持つことによる精神的負担からくるストレス」への支援

発達障害の特性のある子を育てる母親は、定型発達の子どもとの違いを感じるしんどさ、将来への不安、周囲の目が気になるなどの精神的負担を感じています。

参考:発達障害の特性のある子どもの母親のストレス
https://cocreco.kodansha.co.jp/cocreco/general/childcare/hattatsu/hara-hattatsu/E7soQ?page=3
(発達障害・発達特性のある子を育てる親や家族のストレス 〔言語聴覚士/社会福祉士〕が解説 より)

今回は、その「発達障害の特性のある子を持つことによる精神的負担からくるストレス」への対応について考えていきます。

周りの人の協力

母親の精神的負担からくるストレスへの対応の第一は、周囲の人の精神的な支えです。

①家族の協力

発達障害の特性のある子どもの子育ての大変さを父親、祖父母などの家族が理解し、協力して子育てをしてくれることで、母親の負担は、物理的にだけでなく、精神的にもずいぶんと軽くなるはずです。

両親が子どもの状況についてじっくり話し合い、家族にも協力をお願いして、さまざまなことを分担する。家事の分担、父親が休みの日には父親が子どもをみる、通院時は祖父母が他の兄弟をみてくれる、など小さなことから大きなことまで周りの人ができることはたくさんあります。

そのような協力によって物理的な子育ての負担が減ること、そして、協力してくれる人がいる心強さは、母親の精神的負担を軽くします。しかし実際は、

●父親が子育てにコミットしない
●父親や祖父母が子どものことは母親がするものと思っている
●父親や祖父母が子どもの状況を十分に理解していない中で、厳しくしつければよくなるといった間違った子育て観を母親に強要する

などの状況があって、母親にさらなる精神的負担をかけていることがあります。

父親や祖父母を含めた家族の気持ち、彼らに子どもの現状を理解してもらい協力体制をつくるにはどうしたらいいかについては、次回以降で取り上げたいと思います。

②友人の支え

保護者から、親自身の友人が精神的な支えになってくれたという話を聞くことはよくあります。親自身が自分の気持ちを開示し、話を聞いてもらうことで楽になることは、自分を取り戻すために大切なことです。

ただ一方で、発達障害についてよく知らない人に話をすると、かえって傷つくこともあるように思います。そこは過大な期待をせず、話す相手を選ぶことが必要だろうと思います。

大きな支えとなる先輩保護者に出会うには?

発達障害の特性のある子どもを育てる親同士の支え合い

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