【中学受験】 成功の鍵は親の「スケジュール管理」「見守る勇気」「笑顔」の3つだった! 中学受験のプロが明かす“実体験”

【中受伴走】「進学個別指導塾TOMAS」扇谷洋平先生に聞く、個別指導塾の活用術 #3 (3/3) 1ページ目に戻る

教育ジャーナリスト:佐野 倫子

「一緒に頑張る」はNG!? 親に必要なのは「見守る勇気」と“策士”の視点

──受験期の親御さんは、つい我が子の勉強に口を出してしまいがちです。どのように距離を取るのが理想でしょうか。

扇谷先生:いちばん大切なのは、「信じて待つ」「口を出しすぎない」勇気を持つことです。もちろん親が支えることは必要ですが、「一緒に戦う」意識が強すぎると、親の焦りがそのまま子どもに伝わってしまいます。

とはいえ、親御さんはいろいろなことが見えますから、つい口うるさくなってしまいますよね。でも、そんなときまで親が悪者になる必要はないんです。

子どもにとっては誰に言われたかというのが重要です。親が言うことは聞かなくても、「先生が言うことは聞く」というケースはよくありますから、先生に状況を共有して、先生の口から子どもに伝えてもらうなどうまく作戦を立ててみてください。

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──なるほど、親は「策士」になるということですね。

扇谷先生:そうです。そして「今日できなかったこと」ではなく、「今日できたこと」に注目して褒める。「できた」という実感が、学習を継続する最大のエネルギーになります。

──6年生になってなかなかモチベーションが上がらないお子さんや、成績が振るわないお子さんにはどのようにアプローチしていけばよいでしょうか?

扇谷先生:「手を広げすぎない」ことです。全科目をまんべんなく頑張ろうとか、いきなりほかの参考書を買ってきて解こうなどとすると、どれも中途半端になりがちです。

まずは1科目、まずは1冊。「できた」と感じられた瞬間に、次の科目へ挑戦する意欲が生まれます。勉強の土台は自信や成功体験ですから。

一度「やればできる!」という感覚をつかんだ子は強いです。私たちはその“最初の芽”をどう育てるかを大切にしています。担任や講師全員がチームで子どもを見守り、伸びる機会を逃さないようにしています。

“中受終了父”が実感「親のプレッシャーは途方もない」という現実

──先生ご自身も2024年にお子さんの受験伴走を経験されたとお聞きしました。プロ中のプロが実際に参戦して、ギャップのようなものはありましたか?

扇谷先生:そうですね(笑)。まず感じたのは、「中学受験の親が感じるプレッシャーとは、これほど途方もないものか」ということです。

学校選びひとつとっても、私はこれまでにプロとして学校説明会に莫大な回数、足を運んできましたが、「この学校もいい」「あの学校も素晴らしい」というレベルから、さらに「わが子にぴったりの学校はどこなのか?」と考えると、それはそれはプレッシャーでした。

責任重大で、何をするにも「親御さんというのは本当に大変だったんだな」と、身をもって追体験することになりました。

だからこそ、ぜひ家族全員で、このミッションに挑んでほしいと思っています。親も子も独りで頑張りすぎず、塾も含めたチーム体制を組みましょう。誰かひとりが頑張っているといういびつな状況は、いい結果につながりません。

───◆───◆───

取材を終えて心に残ったのは、「受験は、家族全員で取り組むプロジェクト」という扇谷先生の言葉です。

「家族で取り組む」とは「親が管理する」という意味ではなく、「子どもを中心に、目標に向かって家族が支え合う」ということ。その姿勢があれば、ハードな受験期間も、きっと家族にとってかけがえのない時間になるのだと感じました。

いい受験にするための方法は一つだけではありません。中学受験塾の選択肢の中に、個別指導塾があることは、ぜひ覚えておいていただきたいと思いました。

2026年組の皆さん、本番までもう少しですね! 各ご家庭がよい結果となるよう、応援しています!

撮影/日下部真紀
取材・文/佐野倫子


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『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』著:佐野倫子(イカロス出版)

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おうぎや ようへい

扇谷 洋平

Yohei Ogiya
進学個別指導塾TOMAS教務企画局副局長。中学受験責任者。

進学個別指導塾TOMAS教務企画局副局長。中学受験責任者。『進学個別指導塾TOMAS』の27校舎を統括するブロック長。最難関中学受験専門の個別指導塾『Spec.TOMAS』の運営にも携わる。

進学個別指導塾TOMAS教務企画局副局長。中学受験責任者。『進学個別指導塾TOMAS』の27校舎を統括するブロック長。最難関中学受験専門の個別指導塾『Spec.TOMAS』の運営にも携わる。

さの みちこ

佐野 倫子

Michiko Sano
教育ジャーナリスト

東京生まれ、早稲田大学卒。2025年4月から東京大学大学院情報学環教育部在学中。英国ロンドン大学ロイヤルホロウェイ留学。航空業界・出版社勤務を経て、作家・教育ジャーナリストに。 講談社mi-mollet、漫画雑誌Kiss(原作)、ダイヤモンド・オンライン、幻冬舎ゴールドオンライン、東京カレンダーWEB、月刊[エアステージ]などで小説・コラムを多数執筆。2人の男の子の母。 主な著書:『天現寺ウォーズ』、『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(イカロス出版)、『知られざる空港のプロフェッショナル』(交通新聞社)。 Instagram @michikosano57 X @michikosano57

東京生まれ、早稲田大学卒。2025年4月から東京大学大学院情報学環教育部在学中。英国ロンドン大学ロイヤルホロウェイ留学。航空業界・出版社勤務を経て、作家・教育ジャーナリストに。 講談社mi-mollet、漫画雑誌Kiss(原作)、ダイヤモンド・オンライン、幻冬舎ゴールドオンライン、東京カレンダーWEB、月刊[エアステージ]などで小説・コラムを多数執筆。2人の男の子の母。 主な著書:『天現寺ウォーズ』、『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(イカロス出版)、『知られざる空港のプロフェッショナル』(交通新聞社)。 Instagram @michikosano57 X @michikosano57