Ｍ‐１決勝進出のトム・ブラウン「合体ネタ」が絵本に　プロの絵本読みから「ホンモノ」と呼ばれる理由

磯崎：『がったい！』には、絵本の基本的な魅力が詰まっていると思います。第一に、声に出して気持ちいい文章であること。「パンチパーマチンパンジー」など「パン」が多用された言葉はリズムがよくて、お子さんへの読み聞かせにピッタリです。

さらに萬田翠さんのイラストがとってもかわいい！　トム・ブラウンさんも動物たちも、脱力感があってユーモラスに描かれていて、この絵本の雰囲気に合っています。子どもたちは、こういったシュールで面白いイラストを、敏感に察知するので、ハマりやすいと思います。

磯崎：この絵本を最初に手にしたときは、トム・ブラウンのおふたりが絵になって漫才することに驚いたのですが、読んで納得しました。「合体ネタ」の「何ができるんだろう？」と見ている人に想像させて、答えを見せる展開は、とても絵本らしい構造なんです。

特に、子どもの読み聞かせに向いているなと感じたのは、このページ。パン４つ、チンパンジー１つを合体させるみちおさん。読者は、布川さんと一緒に「一体どうなっちゃうんだ!?」という気持ちになるでしょう。「11ぴきのねこ」シリーズや、長新太さんのシュールで予想を裏切る展開の絵本がお好きな方には、『がったい！』をお勧めしたいです。

お子さんの想像力をかき立てる絵本は、それだけでも魅力的ですが、絵本のオチになっている最後のイラストには、興奮と達成感が詰まっています。誰も真似できない「合体」を繰り返した先に、トム・ブラウンがつくった最高の「キングパン」。ドキドキの展開は、絵本でしか味わうことができません。

TBS「王様のブランチ」「THE TIME,」日本テレビ「有吉ゼミ」、テレ朝「夫が寝たあとに」など、続々とメディアで紹介！

大反響につき、発売即重版が決定した「脳みそが柔らかーくなる絵本」です。

パンを　５つ　がったいさせて
さいきょうのパン　キングパンを
つくりたいんですよ～

パンです　パンです　パンです
パンです　チンパンジーです

がったい!!!!

……果たして、キングパンは完成するのか──!?
いったい、どうなっちゃうんだーーー!?

人気お笑いコンビ「トム・ブラウン」の“奇想天外”な漫才がまさかの絵本化!?

中毒的リズムと奇想天外な展開はそのままに、「トム・ブラウン」と「絵本」が奇跡の合体！　子どもも大人も、読んで笑って楽しめる「お笑いネタ絵本」です！

トム・ブラウン写真／松井雄希（講談社写真映像部）
磯崎さん写真／児童図書出版部