M‐1決勝進出のトム・ブラウン「合体ネタ」が絵本に プロの絵本読みから「ホンモノ」と呼ばれる理由

トム・ブラウン&絵本ナビ編集長に絵本『がったい!』についてインタビュー

ライター:山口 真央

わかりやすさを追求して誕生した「合体ネタ」

大御所芸能人からネタを「わからない」と指摘されたことが、ネタ作りの始まりだったと話す、トム・ブラウンの布川さん(左)とみちおさん(右)。
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──絵本『がったい!』の誕生秘話を教えていただけますか。

みちお:『がったい!』は、絵になったかわいい僕らが出てきて、「パンを5つ合体させて、最強のキングパンをつくる」というネタをはじめます。

布川:パンの中に、チンパンジーが紛れこんで「パンチンパンジー」になってしまう。さらにみちおが暴走して、「パン」のつくものを合体させていく……というお話です。

みちおさんがキングパンをつくりたいと提案する、『がったい!』の1ページ。

みちお:もともとは、僕らが2018年のM‐1グランプリ決勝でやったネタ「ナカジMAX」からきたアイデア。「サザエさん」に登場する中島くんを5人合体させて、最強の中島くんをつくるというネタでした。

布川:2018年より前に僕らがやっていたネタは「わからない」と言われることが多かった。笑える土俵にあがるために、わかりやすくしなければと試行錯誤していました。そこでできたのが「○○をいくつか集めて、キング○○をつくる」というアイデアです。

みちお:参考にしたのは、ホラー映画『ザ・フライ』に出てくる「ハエ人間」や、『ドラゴンクエスト』に出てくる「キングスライム」など。自分の好きなエンタメから、「わかりやすさ」を抽出してできた漫才でした。

トム・ブラウンのみちおさん。ネタづくりは、みちおさんがアイデアを出し、布川さんがセリフなどを決めていくスタイル。

布川さんが「漫才の参考にした」絵本のページとは?

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