「人と人はいろんな繫がり方がある」新刊に込めた想い
令丈:ある日ふとしたきっかけで、私のお話をクラスの子に読んでもらったら、びっくりするくらい評判がよくて。「面白かった」「続きが読みたい」と声をかけてくれたんです。そのとき私は初めて、友だちと話していて楽しいと思うことができました。
たくさんのお話をつくったけれど、いまでも覚えているのは『うっかりフェアリー』というタイトルの漫画。恥ずかしいタイトルですけれど、小学生のとき考えたものですから(笑)。
うっかりさんの妖精が主人公で、お風呂上がりにバスタオル1枚で外に出るシーンがありました。そういうのが男子にウケて「次も書いてよ」と言われたりしました。昭和を感じますね(笑)。
面白いと言われた作品は続きをどんどん書いたり、評判が良くなければ打ち切りにしたり。みんなの意見を聞いて、人気のあるキャラクターは出番を増やすこともありました。
人気キャラが確立されると、どんなエピソードでも喜んでもらえるんですよ。当時からそんなことを考えて書いていましたから、我ながらエンタメ作家としての資質はあったのかなと思います。
──小学生のころから令丈さんのファンがいたのですね! では、そのまま児童文学作家になろうと考えたのですか。
令丈:いえ、最初は絵本作家になりたかったんです。美術大学で絵本を専攻していて、講談社の絵本新人賞にも応募していました。でもなかなかうまくいかなかったときに、同じく講談社の児童文学新人賞があることを知って、応募してみたんです。
そしたら編集さんから「最終選考に残りました」と連絡がきて「もうちょっと書いてみましょう」とお声掛けいただき、作品をみていただいているうちに児童文学作家としてデビューすることになりました。
私の名前はペンネームです。「令」という文字は凜としていて賢そうな雰囲気が好き。「丈」は子どものときから丈夫なことに憧れていたから使いたくて、合わせて「令丈」。自分がこうありたいという願いを込めてつけました。
──素敵な由来ですね! 令丈さんのお話は楽しいだけでなく、読者に癒やしや新しい発見をくれるところが魅力です。最新作の童話『ダメダメ小学校 友だちいないとダメですか?』も、人間関係に悩むお子さんにぜひ読んでもらいたい作品ですが、このお話ができた経緯を教えてください。
令丈:『友だちいないとダメですか?』は、主人公のもかちゃんがクラスメイトに「友だちがいない」と言われたことから、「友だちってなんだろう?」「どういうのが友だち?」と考えるお話です。
この本を書いたきっかけは、同世代の友だちとしゃべっているときに「この人が言っている友だちと、私の思っている友だちは違う」と思ったことが始まりでした。微妙な会話の嚙み合わなさから気づいたことですが、よく考えたら友だちの定義って、ひとりひとり違うのが当たり前なんですよね。
一度でも仲良く盛り上がったら友だちと思う人もいれば、どんなことでも全部話せるのが友だちだと思う人もいる。小学生のときにそのことに気づいていたら、どんなに楽だっただろうと思いました。
いまの子どもたちは空気を読める子が多いですし、受け取る情報量が多いから、周りと自分を比べる機会も増えているような気がします。
もちろん人と繫がることは大事だけど、いろんな繫がり方があるし、人と同じようにしようと無理をする必要はありません。この本を読んで、少しでも子どもたちの気持ちが楽になってくれたら嬉しいです。

「いろんな人間関係がある」と気づかせてくれる3冊
──今の時代に生きる読者へ贈る、令丈さんとっておきの作品を教えてください!
令丈:友だちや身近な人との人間関係に、不安や悩みを抱える人に読んでもらいたい本を選びました。



































