毎日20分だけ1人の子どもの話を100%聞く【親子のクオリティタイム】で親子関係がみるみるよくなる
信頼関係を深める「アクティブリスニング」で変わる親子の未来 #2
2025.01.04
アクティブリスニングの実践について、赤羽さんは次のように解説します。
「アクティブリスニングを親御さんに紹介しても、『アクティブリスニングをしたくてもできない!』という悩みをたくさん聞きます。ですが、安心してください。最初はきっかけがつかめず、できない方が大半です」(赤羽さん)
アクティブリスニング初心者やきっかけがつかめない方にオススメなのが、「親子のクオリティタイム」を持つことです。
「『親子のクオリティタイム』とは、どんなに忙しくても、毎日20分だけ、1人の子どもの話を100%聞く、という時間のことをいいます。子どもが3人いたら、順番に1人20分ずつ話を聞きます。
わずか20分ですが、100%集中することで子どもは満足しますし、もしきょうだいがいて順番を待っている子が出ても、1人20分という制限時間があるので、次の子はおとなしく待っていてくれるのであまり問題は起きません。
親御さんから『20分間は、子どもの希望に合わせて一緒にゲームをしながら会話をしてもいいですか?』とよく聞かれるのですが、『親子のクオリティタイム』中はあくまで話を聞くことに集中してください。
一緒にゲームや体を動かして遊ぶことは楽しいし、盛り上がると思いますが、それとは別に考えましょう」(赤羽さん)
「チケット制」で親子のコミュニケーションをさらに深められる
親子間のコミュニケーションの質を向上させるには、前述した「親子のクオリティタイム」を持つことが有効ですが、それに加えて「チケット制」も赤羽さんはオススメしています。
「子どもによっては20分間の会話では足りないときがあります。そこで柔軟に対応できる方法が『チケット制』です。
たとえば、2人きょうだいの場合。最初に『親子のクオリティタイム』が終わってしまった子からまだ話し足りないといわれたときは、〈○○ちゃん(くん)5:40~6:00〉などと書いたメモや付箋を渡して、2人目の子どものあとにもう一度、別の時間を取ることを約束します。
これをすれば、2人目の子どもとの時間を軽んじることなく、もっと話したい子どもとも充実した時間を持つことができます。
また、チケット制は、親御さんがどうしても手が離せないときにも有効です。子どもが『ママ~(パパ~)』と突然、話しかけてきたときに手が離せない場合は、『今はちょっと手が離せないけど、4時から時間をとるから待っていてね』と伝えて〈○○ちゃん(くん)4:00~4:10〉などと書いたメモや付箋を子どもに渡します。
それだけのことですが、子どもはおとなしく待ち、その時間になると目を輝かせて親御さんのところに来る、というものです。いつも慌ただしいママ、パパにとって、大変役立つ方法です」(赤羽さん)
赤羽さんは、「そんなに聞き分けがいいのかと不思議になるくらい、『親子のクオリティタイム』とセットにした『チケット制』は効果的だ」といいます。ぜひ、ご家庭で試してみてください。