『コイツの顔おかしい』心ないSNSにママ芸人・竹田こもちこんぶが告白した“病気と母”

4男児のママ芸人・竹田こもちこんぶインタビュー#4 「病気と母と子育てと」

芸人:竹田 こもちこんぶ

息子たちへ渡したい『自由』のバトン

今、子どもに寄り添う子育てで、「お母さん」をお手本にしていることはありますか。

竹田さん:「たくさんありますね。何でも自由にやらせてくれたんです。大学生で入った劇団だって反対もせず、全部肯定してくれました。

小さいころから何かをしなさいと言われたことは全くなくて、勉強しなさいとも言われたことがありませんでした。

いろんなことにハマって、自分の好きな道を生きてきたんです。演劇から今に至るプロセスにおいて、一切介入してきませんでした。余計なことは言いません。

全部自分の責任において選択してきた自分の人生。自分の好きなことに力を注ぐことが許される環境でした。

それが今、しきりに子育てで必要と言われている『自発性を育てる』ということなんだと思います。だから自分の子どもたちには、余計な口出しをしないで自発性を育てようと心がけています。

でもつい、勉強やピアノ、スイミングといった習い事を、親はやらせたくなっちゃうじゃないですか。『何か少しでも本人のためになるように』と、先回りして用意したり、口出ししたくなっちゃう。

でもそれを『我慢しよう!』というのが母親としての自分の目標です。全部自分で選択し、自分で選んだことを一生懸命頑張る。そういうところまで行き着いてほしいです。

まあ、長男(9)は1人目だからいろいろやらせたくて、4歳のころ自分から『やりたい』と言ったピアノを習わせていました。でもつい最近『やめたい』って本人から言い出したんで、すっきり辞めました。

本当はずっと続けてほしかったですが、そもそも本当にやりたかったのか疑問ですし、私がうながさないと練習しない状況でした。『いつかやめたいって言うだろうな』と構えて待っていました」

TikTokの「#アレ・コレクション2023」の回では、モジモジしながら「ピアノやめたい」と伝えてきた長男の行動を成長と捉え、「親のエゴで習わせてたことがバレた」「おめでとう」と竹田さんは伝えています。「お母さん」のような子どもの意思を尊重した子育てが見てとれます。

「ピアノやめたい」と告白した長男を称える動画。  写真:竹田こもちこんぶTikTok「#アレ・コレクション2023」の回より

竹田さん:「いま、自分はいい人生だなって思えるんです。いろんな大変なこともあったけど、自由を感じられている。

それはお母さんが口を出さずに見守ってくれていたことが大きかったなって思うんです。

だから自分もそういうお母さんでありたいです。母から受け取った『自由』のバトンを引き継ぎたいですね」

───◆─◆─◆───


地方に移住し4男児子育て──。物理的な不自由さを逆手に取る強さは、子どものころから「自由」が与えられた環境で育った影響があるかもしれません。

育児中に保育士の国家資格を取得したという竹田さん。面白いだけでなく、子どもの育ちに真正面から向き合い、子育て仲間にも寄り添う姿は、これからも見る人の心を打ち続けます。


取材・文/大楽 眞衣子

13 件

竹田 こもちこんぶ

Komochikonbu Takeda
お笑い芸人

大学在学中から演劇を始め、闘病を機に舞台俳優・芸人に。劇団仲間の夫と結婚、2014年に第1子出産後、夫の故郷である静岡県富士市へ移住。産後も子どもを抱き『R‐1グランプリ』に挑戦し続ける。笑いと涙を誘うTikTokの投稿は、子育て世代の大きな反響を呼びフォロワーは約33万人(2023年6月現在)に。 2022年12月『女芸人No.1決定戦 THE W 2022』(日本テレビ系)で準決勝敗退、2023年1月には『おもしろ荘』(日本テレビ)に出演。 4男児(2014年生まれ、2017年生まれ、2019年生まれ、2021年生まれ)の母。2023年9月第5子出産予定。 TikTok @takeda_komochikonbu Instagram @takeda_komochikonbu

大学在学中から演劇を始め、闘病を機に舞台俳優・芸人に。劇団仲間の夫と結婚、2014年に第1子出産後、夫の故郷である静岡県富士市へ移住。産後も子どもを抱き『R‐1グランプリ』に挑戦し続ける。笑いと涙を誘うTikTokの投稿は、子育て世代の大きな反響を呼びフォロワーは約33万人(2023年6月現在)に。 2022年12月『女芸人No.1決定戦 THE W 2022』(日本テレビ系)で準決勝敗退、2023年1月には『おもしろ荘』(日本テレビ)に出演。 4男児(2014年生まれ、2017年生まれ、2019年生まれ、2021年生まれ)の母。2023年9月第5子出産予定。 TikTok @takeda_komochikonbu Instagram @takeda_komochikonbu

だいらく まいこ

大楽 眞衣子

社会派子育てライター

社会派子育てライター。全国紙記者を経てフリーに。3人の育児で培った生活者目線を活かし、現在は雑誌やWEBで子育てや女性の生き方に関わる社会派記事を執筆している。大学で児童学を専攻中で、保育士資格を取得。2歳差3兄弟の母。昆虫好き。イラストは三男による「ママ」 ●公式HP「my luck」

社会派子育てライター。全国紙記者を経てフリーに。3人の育児で培った生活者目線を活かし、現在は雑誌やWEBで子育てや女性の生き方に関わる社会派記事を執筆している。大学で児童学を専攻中で、保育士資格を取得。2歳差3兄弟の母。昆虫好き。イラストは三男による「ママ」 ●公式HP「my luck」