
【令和の最新子育て】「教育の迷信と勘違い」子どものゲーム・スマホを𠮟るとさらに勉強しなくなるのはなぜ?〔教育評論家〕が解説
子育てにまつわる「これ本当?」がわかる 令和の最新子育てメソッド #3
2025.07.25
教育評論家:親野 智可等

ゲームやスマホに熱中する我が子を勉強に向かわせるには?
親野先生の解説で、ゲームやスマホを一方的に上から目線で否定するのはよくないとわかりましたが、そうはいっても、勉強にいつまでも向き合わない子どもを放置するわけにもいきません。こんなときはどうすればいいのでしょうか。
「これからの子育てでは、親がゲームやスマホを理解することが大事です。
たとえば、親御さんもゲームをやってみて、『こんな高度なことをやっていたの!』なんて、その難しさや子どもが工夫していることを理解してあげてください。スマホも同様です。
そして、その対話の中で親御さんが心配に思っていることを、『親友親子』の立場※で伝えてみましょう。
『1時間も遊んじゃったね』『課金トラブルがあったんだって』『目を休めたほうがいいかも』『個人情報の流出があったみたい』などです。
子どもは、自分の好きなことをある程度わかってくれている親に、親友の目線で心配されれば、素直な気持ちで聞けるようになります。そうすれば、『やりすぎに気をつけよう』『勉強もしなきゃ』という気持ちにもなります」(親野先生)
※親友親子については#1を参照。
親野先生直伝 令和の最新子育てメソッド
ゲームやスマホが、悪いものと決めつけるのは古い考え。
デジタル社会では必要なスキルと心得ましょう。
子どもが自分でゲームやスマホに区切りをつけて勉強にも取り組むには、親が歩み寄ることが最初の一歩です。
ゲームやスマホの使い方ルールを親子でつくろう
親子間でいい雰囲気ができれば、ゲームやスマホのルール作りにも子どもは乗り気になってくれるので、積極的に取り組んでほしいと親野先生は最後にアドバイスします。
「外交交渉をするように、使い方、遊び方のルールを譲れるところは譲って、主張するところは主張して、着地点を親子で見つけてください。
決まったことは紙ではなく、できるだけホワイトボードに書き、部屋の中に貼っておくことも大切です。運用して実態とギャップがあった場合は、また親子で話し合って書き直しましょう」(親野先生)
子どもは「うちのパパママは自分を理解してくれている」と思うと、親への信頼感が爆上がりしていって、自分で区切りをつけられるようになるばかりか、「ケンカをした」「他人に怪我をさせた」「いじめられている」「友だちと悪いことした」など、いいにくいことも親御さんに話してくれるようになります。
子どもから伝えてくれないと介入できないことでも、早い段階で手を差し伸べられるようになるので、目の前の我が子を受け入れながら、令和版の子育て環境を親子でつくっていきましょう。
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◆親野 智可等(おやの ちから)
教育評論家
長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。子育て世代に寄り添ったSNS投稿も話題で、「ハッとした」「泣けた」という声が多数寄せられている。全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも講師を務め、オンライン講演も経験豊富。著書に『親の言葉100 ちょっとしたひと言が、子どもを伸ばす・傷つける』(グラフィック社)など。人気マンガ『ドラゴン桜』(講談社刊)の指南役としても知られている。
【令和の最新子育てメソッド】の連載は、全3回。
第1回を読む。
第2回を読む。
取材・文/梶原知恵

梶原 知恵
大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。
大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。
親野 智可等
長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。子育て世代に寄り添ったSNS投稿も話題で、「ハッとした」「泣けた」という声が多数寄せられている。全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも講師を務め、オンライン講演も経験豊富。著書に『親の言葉100 ちょっとしたひと言が、子どもを伸ばす・傷つける』(グラフィック社)など。人気マンガ『ドラゴン桜』(講談社刊)の指南役としても知られている。 教育評論家・親野智可等ホームページ 「親力(おやりょく)」
長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。子育て世代に寄り添ったSNS投稿も話題で、「ハッとした」「泣けた」という声が多数寄せられている。全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも講師を務め、オンライン講演も経験豊富。著書に『親の言葉100 ちょっとしたひと言が、子どもを伸ばす・傷つける』(グラフィック社)など。人気マンガ『ドラゴン桜』(講談社刊)の指南役としても知られている。 教育評論家・親野智可等ホームページ 「親力(おやりょく)」