寝ない 食べない 癇癪(かんしゃく)が多い… 「子どもが育てにくい」納得の理由とは? 専門家が「感受性」と「注意力」を使って分析

感受性と注意力で読み解く子どもの「困った」行動#1 感受性が敏感な子

「感受性が敏感」は強みにもなる!

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ここまで、生活する上で注意したい感受性の一面を説明してきましたが、実は、感受性が強みになることもたくさんあるといいます。

視覚の感受性が強い場合は、細かく見る、観察することができるため、記憶力が優れている子もいます。それが他の得意と結びつくと、手先の器用な子はブロックや工作などの芸術系、運動神経の良い子は体操や空手など、複雑な身体の動きを覚えて再現する競技で力を発揮することがあります。

聴覚の感受性が強いケースだと、音楽や楽器で才能を発揮する子、言語習得に向く子もいます。

大切なのは、持って生まれた感受性をどういかしていくかです。

前述したように、生活の中で困った方向に感受性の偏りが出てしまうこともありますが、きちんと対応できれば問題は解決します。必ず良い面がありますから、保護者の方にはどうしたらその子の感受性を伸ばしてあげられるのかを考えてほしいですね。

幼児期は得意な遊びを思う存分楽しむ、感受性をいかす習い事をする、などをするととてもよいと思います。

その子の持った特性を否定するのではなく、上手なつき合い方やいかし方、伸ばし方を探していくことが、親も子も幸せに生きていくことにつながります」(野藤氏)

第2回は、子どもの困った行動を読み解く上で大切となるもう一つの特性、「注意力」について解説していただきます。

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Photo by 川端アリ

【野藤弘幸 プロフィール】
作業療法学博士。発達障害領域の作業療法の臨床、大学教授を経て、現在は、「育てにくい」「言うことを聞かない」「自分でしようとしない」など、大人がそう思う乳児期から青年期の子どもたちと、その子どもたちの養育者に携わる保育者への研修、講演活動を行う。著書に『発達障害のこどもを行き詰まらせない保育実践~すべてのこどもに通じる理解と対応』(郁洋舎)、その他保育雑誌への連載などを担当。

取材・文 川崎ちづる

【感受性と注意力で読み解く子どもの「困った」行動】の連載は、全4回。
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のとう ひろゆき

野藤 弘幸

Hiroyuki Notoh
作業療法学博士

作業療法学博士。発達障害領域の作業療法の臨床、大学教授を経て、現在は、「育てにくい」「言うことを聞かない」「自分でしようとしない」など、大人がそう思う乳児期から青年期の子どもたちと、その子どもたちの養育者に携わる保育者への研修、講演活動を行う。著書に『発達障害のこどもを行き詰まらせない保育実践~すべてのこどもに通じる理解と対応』(郁洋舎)、その他保育雑誌への連載などを担当。  ※Photo by 川端アリ

作業療法学博士。発達障害領域の作業療法の臨床、大学教授を経て、現在は、「育てにくい」「言うことを聞かない」「自分でしようとしない」など、大人がそう思う乳児期から青年期の子どもたちと、その子どもたちの養育者に携わる保育者への研修、講演活動を行う。著書に『発達障害のこどもを行き詰まらせない保育実践~すべてのこどもに通じる理解と対応』(郁洋舎)、その他保育雑誌への連載などを担当。  ※Photo by 川端アリ

かわさき ちづる

川崎 ちづる

Chizuru Kawasaki
ライター

ライター。東京都内で2人の子育て中(2014年生まれ、2019年生まれ)。環境や地域活性化関連の業務に長く携わり、その後ライターへ転身。経験を活かし、環境教育や各種オルタナティブ関連の記事などを執筆している。WEBコラムの他、環境系企業や教育機関などのPR記事も担当。

ライター。東京都内で2人の子育て中(2014年生まれ、2019年生まれ)。環境や地域活性化関連の業務に長く携わり、その後ライターへ転身。経験を活かし、環境教育や各種オルタナティブ関連の記事などを執筆している。WEBコラムの他、環境系企業や教育機関などのPR記事も担当。