読書は自分の楽しみのためにあるもの
読書で大切なことは、「《好奇心を持つこと》と《難しく考えないこと》の2点」だと、印南さんは言います。
「まず、これは面白そうだなというような純粋な好奇心を持つことが大切です。大人になる過程で知識が増え、この好奇心を邪魔することもあるので、できる限り純粋さを持ち続けるべきだと思います。
また、とかく読書は難しく捉えられがちなのですが、そもそも読書は自分のための行為。そして、基本的には読書は《楽しみ》です。
『本を読みなさい』と大人が子どもに強制することはもってのほか。自分の楽しさや心地よさを重視して、自分のために読むべきだと思います」(印南さん)
ゲームメソッドで読書の壁を低くする
本を読めない親子に向け、印南さんが思いついたのは、読書に関するもろもろのことをゲーム化すること。
「『こうでなくてはいけない』というような決まりに縛られすぎると、とっつきにくく感じて、“読書の壁”はさらに高いものになってしまいます。
そこで、従来的な“常識”とは逆方向から考えてみることにしたのです。読書をゲーム化するなどというと、真面目な方々は『けしからん!』と感じられるかもしれません。が、子どもたちが読書に興味を持てたらそれでいい。
読書をゲーム化することで、子どもの興味や関心の幅が広がることを狙っているんです」(印南さん)
印南さんの読書ゲームメソッドは、実にユニークな内容。まず、親子で読書に対するコンプレックスを解消するのが、本好き家族となる最初のアクションです。
次回は、印南さんが提案する読書のゲームメソッドの入門編である「読書の悪口ゲーム」を紹介します。
印南敦史(いんなみ・あつし)
作家、書評家。株式会社アンビエンス代表取締役。1962年、東京都生まれ。広告代理店勤務時代に音楽ライターとなり、音楽雑誌の編集長を経て独立。さまざまなメディアで書評欄を担当し、読書量は年間700冊以上。2020年には、“日本で一番”を認定するサイト「日本一ネット」において「書評執筆本数日本一」に認定された。読書や文章技術、音楽に関する著書多数。
取材・文/遠藤るりこ
※印南敦史さん「読書ゲームメソッド」インタビューは全4回。第2回は2022年8月5日、3回は8月6日、4回は8月7日公開予定です(公開日時までリンク無効)。
#2 本の1%が印象に残れば大成功 「悪口ゲーム」で子どもの読書コンプレックスをなくす
#3 朝読書から本の墓場?まで 夏休みに子どもを読者好きにするスゴいテクニック
#4 読書感想文を最後に残さない! 本好きになる「読書ゲーム」を家族でやってみたら…
遠藤 るりこ
ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe
ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe
印南 敦史
作家・書評家。株式会社アンビエンス代表取締役。1962年、東京都生まれ。広告代理店勤務時代に音楽ライターとなり、音楽雑誌の編集長を経て独立。 もともと超・遅読家だったものの、ビジネスパーソンに人気のウェブ媒体「ライフハッカー[日本版]」で書評を担当することになったのをきっかけに、大量の本をすばやく読む方法を発見。土日祝日を除く毎日書き続けている同サイトの連載「印南敦史の毎日書評」は、2022年8月で11年目を迎える。 「東洋経済オンライン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.jp」「マイナビニュース」などでも書評欄を担当し、年間700冊以上という読書量を誇る。2020年には、“日本で一番”を認定するサイト「日本一ネット」において「書評執筆本数日本一」に認定された。書評以外の記事も、「文春オンライン」「論座」「e-onkyo music」などに寄稿。 著書に『「書くのが苦手」な人のための文章術』(PHP研究所)、『書評の仕事』(ワニブックスPLUS新書)、『読書する家族のつくりかた 親子で本好きになる25のゲームメソッド』『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(以上、星海社新書)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術』(KADOKAWA)、『遅読家のための読書術』(PHP文庫)などのほか、音楽関連の書籍やエッセイなども多数。
作家・書評家。株式会社アンビエンス代表取締役。1962年、東京都生まれ。広告代理店勤務時代に音楽ライターとなり、音楽雑誌の編集長を経て独立。 もともと超・遅読家だったものの、ビジネスパーソンに人気のウェブ媒体「ライフハッカー[日本版]」で書評を担当することになったのをきっかけに、大量の本をすばやく読む方法を発見。土日祝日を除く毎日書き続けている同サイトの連載「印南敦史の毎日書評」は、2022年8月で11年目を迎える。 「東洋経済オンライン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.jp」「マイナビニュース」などでも書評欄を担当し、年間700冊以上という読書量を誇る。2020年には、“日本で一番”を認定するサイト「日本一ネット」において「書評執筆本数日本一」に認定された。書評以外の記事も、「文春オンライン」「論座」「e-onkyo music」などに寄稿。 著書に『「書くのが苦手」な人のための文章術』(PHP研究所)、『書評の仕事』(ワニブックスPLUS新書)、『読書する家族のつくりかた 親子で本好きになる25のゲームメソッド』『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(以上、星海社新書)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術』(KADOKAWA)、『遅読家のための読書術』(PHP文庫)などのほか、音楽関連の書籍やエッセイなども多数。