産前産後ママに起こる「爪のトラブル」 日本のトップネイリストが対処法を徹底解説!

プロが教える自宅ケア! 自宅で簡単、ママ&子どもの爪ケア #2

産前産後のママは特に爪のトラブルに気をつけよう。 写真:アフロ

産前産後のママの爪は、何かとトラブルが起こりがちです。予防の意味でも、日常から自分でできることはあるのでしょうか。また子どもの爪についても日ごろから行っておくべきことはあるのでしょうか。

産前産後ママが気をつけたい爪の状態や、子どもの成長に合わせた爪の切り方などを、ネイリスト協会理事の木下美穂里さんにうかがいました。(全3回の2回目。#1を読む)。

◆木下 美穂里(きのした みほり)
㈱ユミ・クリエイション代表取締役社長。NPO法人日本ネイリスト協会理事・名誉本部認定講師。エステティシャン、美容家、メークアップアーティスト、ネイリストとしての長年のキャリアを生かし、ネイルサロン、スクールの運営、ビューティーイベントやオンラインイベントのプロデュースや、「ネイルパーフェクトマニュアル」「ビューティフルネイル」など著書多数。

「健康な爪から美しい爪への秘訣」の連載は全3回。
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出産前に起きる爪の変化

健康のバロメーターともいわれる爪。出産前後は、体だけでなく「爪への影響が出やすい時期」だと木下さんは話します。

「妊娠中の女性は、体の末端への栄養がいきにくく、その結果、爪が弱くなったり薄くなったりすることがあります。爪と爪の周りの皮膚にローションやネイルセラム(爪の美容液)を塗り、水分を補給しましょう。仕上げに、爪の周りの皮膚や、甘皮周りに優しくネイルオイルを塗布すると、水分、油分の保護になります。

また、爪が薄くなり割れやすくなりますから、ネイルサロンで、自爪のケアコースの施術を受けるのもオススメです」(木下さん)

最近はジェルネイルをしている妊婦さんも見受けられます。木下さんは妊娠中の女性に樹脂であるジェルを使うことをどう考えているのでしょうか。

「妊娠中のジェルネイルに関しては、体調によって判断が必要です。通院中の病院や医師のアドバイスを受けましょう。体調の変化によってすぐとることができるポリッシュ(マニキュア)がオススメですし、乾燥しないように手全体にしっかりと水分、油分を補給して手荒れを防ぎましょう」(木下さん)

手の爪に関しては理解できましたが、妊娠中の足の爪のケアは注意事項はあるでしょうか。

「妊婦さんは、お腹が大きくなるにつれて足の爪のケアが難しくなり、放置してしまうことがあります。爪が長く伸びた状態のままだと巻き爪のリスクが高まりますから、妊娠中でも足の爪は適切な長さでこまめにカットし、深爪にしないように注意しましょう。

体調が安定している場合は、フットケアを目的としてネイルサロンを利用することも一つの選択です。妊娠によって歩き方の変化などで、かかとが肥厚して硬くなることもあります。その場合は、サロンでかかと用の細かいファイル(ヤスリ)を使用したケアで改善されるでしょう。

また、出産に備えて、足のジェルネイルは外しておきましょう。外したあとは手の爪と同じように、水分と油分を補給します。ネイルセラム(爪の美容液)、ボディクリームを爪先からかかとまで包むように塗り込んでください」(木下さん)

産後の爪で気をつけたいこと

出産後のママは、どのような点に気をつければよいのでしょうか。木下さんは次のように話します。

「足の爪は切り方が重要です。丸くカットせず、なるべく四角にカットし、先端の爪が皮膚にあたる部分は目の細かいヤスリでなじませましょう。爪は真っ直ぐに伸ばし、指先と同じくらいの長さにするのがオススメです」(木下さん)

特に新生児から3歳くらいまでのママは、手を頻繁に洗う機会が多いため、乾燥しやすくなります。

また、子どものお世話で自分のケアまで手が回らなくなることも多いはずです。そのため、例えば子どもの手にクリームを塗る際に、自分にも一緒にクリームを塗ることを習慣にするとよいでしょう。

木下さんはさらに効果的な方法を教えてくれます。

「クリームを塗る際に、簡単な(手をにぎるなど)ハンドマッサージをしながら塗布するのもオススメです。ハンドマッサージは手の血行を促進し、血液循環を改善します。これにより、手や爪に栄養がより行き渡り、健康的な爪の成長をサポートします」(木下さん)

子どもの爪の成長と美しい爪を保つための秘けつ

では、子どもの爪の切り方はどうすればいいのでしょうか。注意が必要なポイントについて、木下さんは次のように話します。

「0歳から2歳までの子どもの爪ケアでは、赤ちゃん用のハサミを使用することが一般的です。フリーエッジ(爪の白い部分)は角をつくらないように切ることが推奨されます。切った爪先は、細かいファイル(ヤスリ)で優しくなじませましょう。

2歳以降は、適切な爪切りを使用してもよいですが、切ったあとはそれ以前の月齢の子と同じく目の細かいヤスリで、先端をなじませます。

子どもの爪を切るときに特に重要なのは、深爪をしないことです。また、横から見てまっすぐになるように切る習慣をつけることも重要です。これにより、きれいな形の爪に成長します」(木下さん)

指しゃぶりや爪を嚙む習慣がある場合は、爪が二枚爪になりやすく、バイ菌が入り込みやすいため、特に清潔に保つことが重要です。

「爪嚙みをする子どもは、特に爪切りのあと、細かいやすりで引っ掛かりを感じないようになじませてあげてください。

ささくれがある場合は、お風呂上がりなど、爪先が柔らかくなっているときに丁寧に切ってあげます。また、子どもの指先までしっかりとクリームを塗って、乾燥を防ぐことも大切です」(木下さん)

子どもの爪は薄くて刺激に敏感なため、しばしば先端が曲がったり、割れたりすることがあります。健康的な爪の形成には、適切な爪切り、バランスの取れた食事と、年齢に合わせた爪のケアを心がけましょう。

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