子どもに「性の話」 保護者への性教育講座で助産師が教える3大ポイント

助産師・思春期保健相談士の田中まゆ氏に聞く「子どもの性の困った!」#1〜性の話の伝え方〜

助産師・思春期保健相談士:田中 まゆ

家庭での性教育 押さえておくべきポイントは3つ

二児の母でもある田中さんは、第一子の出産を機に保護者への性教育講座を始めました。子どもに性教育をする上で、ポイントは3つあると田中さんは言います。

「まずは、①『質問を受け入れる』こと。子どもから聞かれてすぐに答えられないことがあったときも『いい質問だね』と一旦受け入れることが大切です。

次のポイントは、②『ウソをつかず、質問に対してのみ答える』です。事実は事実として伝えることが子どもの理解につながると思うので、すぐに答えられなければ、『今はわからないから、今度話すね』と先のばしにしても大丈夫です。

『質問に対してのみ答える』の『のみ』が実は重要です。性教育にしっかり取り組もうとする親御さんであればあるほど、子どもから質問が来たときに伝えたいことを盛り込みすぎてしまう傾向にあります。

でも、じっくり丁寧に説明しすぎると、肝心の子どもが聞いていなかったり、いきなり会話が終わってしまったりすることも(笑)。子どもが知りたいことに対して『のみ』答えれば、子どもが途中で飽きることなく会話を続けられます。

幼児期の子どもの質問は結構ざっくりしていることが多いので、何について聞いているのかを確認した上で、一言で答えることを意識してもらうといいですね」(田中さん)

一度に完璧に説明するよりも、「子どもが何に興味があり、何について知りたいのか」を子どもとの会話を通じて知ることがポイントだと言います。

「子どもからの質問に最初はざっくり答えて、それ以上のことを聞いてきたら、もう少し詳しく伝えます。子どもと会話のキャッチボールをするような感じで、繰り返し伝えるといいですね」(田中さん)

さらなるポイントは、③『気合は不要』です。

「『子どもに性教育をする前に、まずは自分が勉強をして、知識を身につけてから』と難しく考えすぎなくても大丈夫。絵本の読み聞かせなどを通じて、お子さんと一緒に学んでいけばいいですよ」(田中さん)

第2回は、田中さんがすすめる性教育の書籍や絵本について伺います。

田中さんと産婦人科医の山分ネルソン先生との対談を収録し、子どもへの性教育についてわかりやすく書かれている『みがまえなくても大丈夫!性教育は、こわくない』(著:田中まゆ、山分ネルソン/IAP出版)

※助産師・思春期保健相談士の田中まゆ氏に聞く「子どもの性の困った!」は全3回。
第2回は2022年4月21日、3回は4月23日公開予定(公開日までリンク無効)です。
#2 「保護者の性教育」「性教育の絵本」 思春期保健相談士の厳選4冊
#3 性器を触る 人の裸に興味… 子どもの“性の困った”に助産師・思春期保健相談士が回答

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たなか まゆ

田中 まゆ

助産師・思春期保健相談士

助産師。思春期保健相談士。クリニックに勤務しながら小中高等学校での性教育の講演や保護者向けに子どもの性教育を伝える活動を行なっている。SNSネーム「助産師まゆさん」として、TwitterやInstagramで情報発信を行う。2児の母。 Twitter  @mayu244ts Instagram @mayu244at

助産師。思春期保健相談士。クリニックに勤務しながら小中高等学校での性教育の講演や保護者向けに子どもの性教育を伝える活動を行なっている。SNSネーム「助産師まゆさん」として、TwitterやInstagramで情報発信を行う。2児の母。 Twitter  @mayu244ts Instagram @mayu244at