
国家試験に合格した発達障害のシングルマザーが苦しんだ「仕事・子育て・勉強」の高すぎる壁
第2回【試験まで約60日】アラフォーADHD&シングルマザーの「リスキリング」~スケジュールの壁~
2025.07.07
仕事激減! 子どものマネージャーに!?
さて、肝心の勉強はどうか。結局のところ、実は全然できていなかった。言い訳になるけど、仕事と子育てと体調不良が続き、時間は常に不足していた。
まず仕事。養成校1年目は、実習期間だけは仕事を断ったものの、それ以外は仕事を続け、平日は夜遅くまで、さらに土日もほぼほぼ働いていた。2年目、また実習期間に入り、仕事を再び断ったことを機に、仕事は激減した。
寂しさと不安を感じる一方で、「これでようやく勉強できる」と、少しホッとしている自分もいた。
だが、物事はそううまく進まない。ようやく勉強時間ができたと思ったら、その空白時間がみるみるうちに「子ども業務」で埋まっていったのだ。
息子は小3を境に学童を卒所となり、お昼過ぎに帰宅するようになっていた。息子は、おしゃべりが大好き。私が勉強や仕事をしようとしても、ありがたいことに数分に一度は私に話しかけてくれる。
また、好奇心旺盛で行動力があるため、家の中で工作や料理を始め、泥棒が入ったかのように部屋が荒れる。大声を出したり、布団に向かってボクシングをしたり、おもちゃの鉄砲を乱射しまくったり。
母子2人が生活する小さなワンルームは破壊音が響き渡る工事現場と化し、私はもうショート寸前。学校のない夏休みは仕事・勉強どころではなかった。
加えて、「息子のマネージャー業務」も次々発生した。
息子は私に似ておっちょこちょいで、ありとあらゆる大事なものをひんぱんになくしてくる。そのたびに、私は問い合わせの電話をかけまくり、交番や遠く離れた遺失物センターに足を運ばなければならない。
さらに年末には、「中学受験をする!」と言い出した。
子どものやる気はできるだけ応援したい。そうなると中学受験塾探しだ。どの塾が息子に合いそうか、情報収集し、説明会に参加して体験授業を受けさせる。
入塾して授業が始まったら、すぐさまテストの解き直しファイルの作成に始まり、一緒に授業動画を見たり問題を出したり……、自分の勉強どころか、親子で中学受験勉強をしなければならなくなってしまった。
さらに小4の春から秋にかけては、志望校と併願校の私立中学校探し。説明会や文化祭、保護会に足を運び、引き続き情報収集。「受験するのは私じゃなかったっけ?」「私の本業はいつからマネージャーに変わった?」と思うほど、息子のサポートに費やす時間が増えていったのである。
そんな日々に追われているうちに養成学校は9月で卒業となってしまった。あとは来年(2025年)2月の試験本番に向けて自分で勉強を続けるしかないのだ。それはわかっているものの、依然として勉強はスムーズに進まない。
一番困ったのが、予期せぬ体調不良だった。息子の突発的な体調不良が増え学校や塾を休む日が、年間10日以上にも及んだ。
加えて、自分自身の体調不良も、大きなロスタイムになった。慢性的な片頭痛に加え、プレ更年期らしき症状は出るわ、子どもの感染症はうつるわの地獄スパイラル。
夏に子どもからもらった風邪は5ヵ月以上長引き、①喉が痛くて声が出ない➡②寝込む➡③咳のし過ぎでぎっくり腰➡④激しい咳で肋骨骨折という4重苦を体験。肋骨を骨折してからは、咳き込むたびに肋骨を殴打されたような激痛を覚えた。11月に行われた模試は、大袈裟ではなく死ぬ思いで受験した。