【子育て中の親へ届け】散らかった部屋は「一生懸命生きた証」! 『カフネ』作者も感動した、プロの家事代行の真実

本屋大賞を受賞した『カフネ』の作者と家事代行サービススタッフの座談会 (2/3) 1ページ目に戻る

ライター:山口 真央

パフェ、おにぎり、唐揚げ…人と人をつなぐ「食」

家事代行サービスで、料理や掃除のお仕事を担当している阿久津美和子さん。
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阿久津:小学生と幼稚園児の娘がおりますが、下の子の保護者会で『カフネ』をすすめられたんです。その先生は『カフネ』を読んだことをきっかけに、ご主人と一緒に食べるスイーツの時間を大切にされているとおっしゃっていました。

阿部:保護者会で……! ありがたい限りです。

阿久津:私が『カフネ』で印象に残ったのは、薫子さんがパックを落としてぐちゃぐちゃにしちゃったケーキを、せつなさんがあっという間にパフェにつくり変えちゃったところです。精神的にボロボロだった薫子が、甘いパフェを食べて「体中の細胞が息を吹き返したような感覚」になる。私も料理をつくる仕事をしているので、読んでいて胸が熱くなりました。

服部:あのシーンは、私もグッときました。『カフネ』には、魅力的な料理がたくさん出てきますよね。

丸子:そうそう、私もどんな味か気になって、せつなさんが得意な卵味噌のおにぎりをつくってみましたよ。食べてみたら、せつなさんの「おにぎりは人生の戦闘力になる」って言葉がわかるような気がしました。『カフネ』には大変な生活を送る人がたくさん登場しますが、せつなさんはこの味でお客様の心を救ってきたんだろうなと思いました。

阿部:ありがとうございます。卵味噌は、物語のキーになる料理です。身近な食材だけでつくれて、やさしい味のするものを選びました。おふたりは、仕事をしていてどんな瞬間に喜びを感じますか。

阿久津:とっても嬉しかったのは、唐揚げをつくって差し上げたときに「おいしいからみんな配ったら、すぐになくなっちゃった!」と言われたとき。次に伺ったときも唐揚げをリクエストしていただいて、この仕事をしていてよかったと感じました。

阿部:それは、たまらない褒め言葉ですね。

阿久津:ほかにも、家事をねぎらってハンドクリームを塗ってくださったり、成長したお子様の様子を見守ることができたり。お客様と心が通う瞬間があると、自分の居場所ができている感じがして嬉しいです。

阿部:きっと阿久津さんのお仕事ぶりが、お客様の心を動かすのでしょうね。丸子さんはいかがですか。

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